大切なお客様の おもてなし 冠婚葬祭事典④

冠婚葬祭事典④おもてなしのマナー編

目次 Contents

お客さまを迎える準備

お客さまを迎える部屋、玄関、トイレを掃除する

自宅にお客さまを招くことになったら、相手が少しでもここちよく過ごせるような準備をします。
お客さまを迎える部屋は念入りに掃除し、テーブルクロスや座布団カバーを清潔なものにかえましょう。玄関は余分な靴を片づけて掃き、スリッパは清潔なものを用意します。
洗面所とトイレは細部まで掃除し、新しいせっけんとタオル、トイレットペーパーを置きましょう。最後に、部屋の窓を開けて、空気の入れかえをしておきます。約束の時間の30分前までにはすべてが整うように準備しましょう。

お茶やお菓子をすぐに出せるように準備を

お客さまが到着したら、すぐにお出しできるように、お茶とお菓子の準備もすませておきましょう。お客さまを手もちぶさたにさせないことが、おもてなしのポイントです。
夏なら冷たいお茶、冬なら熱いお茶が基本です。それぞれ適温の状態で出せるように準備しておきます。飲み物は、数種類を準備しておくと万全。せん茶のほか、コーヒーや紅茶などを用意しておくとお客さまの好みがわからない場合も安心です。

[迎える準備のチェックポイント]

  • 玄関まわり
    口内外の掃除 口靴の整理、整とん ロスリッパの用意
  • 客間
    口室内の清掃 口ごみ箱は空に 口室内の換気
  • トイレ
    口芳香にする 口紙の補充
  • 雨の日
    口傘置き場を整える ロタオルの用意

 


お客さまを迎える

お客さまを迎えたら速やかに客間ヘ

インターホンが鳴ったら、すぐに玄関に向かいます。お客さまを待たせては失礼なので、やりかけていることがあっても中断して対応します。お客さまを笑顔と歓迎のことばで迎えましょう。
玄関でのあいさつは簡単にすませ、すぐに部屋にお通しします。コートや手荷物があれば、お客さまが靴を脱ぐ前に声をかけ、受け取ったコートは別室にかけておきましょう。

廊下は自分が先に歩き振り返りぎみに

部屋までは先に立って案内します。このとき、お客さまにおしりを向けないように、体はできるだけ斜めに、お客さまに振り返りぎみに歩きます。階段を上がるときはお客さまが上になるように先に通します。「足元にお気をつけください」などと、ひと声かける気配りもたいせつです。
部屋にお通しするときは、引くドアの場合、先に立ってドアを開け、「どうぞ」とひと声添え、押すドアの場合は、まず自分が入ってドアを押さえ、お客さまをお通しします。
お客さまが雨や雪などに濡れているようなときは、「雨のなかたいへんでしたね」などと気づかうことばも添えてタオルを手渡します。必要があれば、洗面所に案内してさしあげましょう。

コート お預かりします靴を脱ぐ前に「お預かりします」と声をかけて、コートや手荷物などを受け取ります。

 


お茶の出しかた

お茶はいったん畳やサイドテーブルに置く

お客さまが席に着いたら、お茶の用意をしに、いったんキッチンへ下がります。いただいた手みやげの中身を確認し、後で具体的にお礼を述べられるようにしましょう。
お茶は、せん茶なら冷めないように、ふたつきの茶碗を使います。
お茶とお菓子、おしぼりをのせて運んできたお盆は、和室の場合は、いったん畳に、洋室の場合はサイドテーブルに置きます。おしぼりは、最初にお客さまから見て右端に置くのがマナーです。そして、お菓子が左、お茶が右の位置になるよう並べます。このとき、必ず両手を使ってお菓子、お茶の順に置きます。
また、ケーキのセロハンやアルミホイルははずしてから皿にのせるのが正式です。

[お茶の出し方]

  1. お盆はいったんサイドテーブルに置きます。和室の場合は、畳に置きます。
    お茶の出し方
  2. お客さまから見て左にお菓子、右にお茶を並べます。おしぼりは右端に。
    お茶の並べ方

2杯目のお茶は1時間後を目安に

2杯目のお茶は、1時間後を目安に出しますが、ひと通り話がすみ、話題が途切れたあたりで入れてもよいでしょう。
相手が飲みきっていなくても、お茶が冷めてしまっているようなら、新しいお茶を入れるのがおもてなしの基本です。


お客さまの見送りかた

お帰りになるときはいったん引き止める

お客さまがお帰りになると言ったら、一度は引き止めるのが礼儀です。「そうですか」とあっさりこたえると、待っていたかのような印象を与えかねません。時間が限られているときなどは「もっとゆっくりしていただきたいのですが」などと、なごり惜しい気持ちを表します。ただし、断れない人もいるので、無理強いはしないようにしましょう。

目上の方ほど遠くまで見送る

玄関でのあいさつは「お気をつけて」などと述べます。お客さまが靴をはき終わったら、コートなどは玄関で着てもらうように勧め、手荷物は、お客さまがコートを着終わってから渡します。
お見送りは、目上の方ほど遠くまでごいっしょするのが礼儀です。門の外に出て、相手の姿が見えなくなるまで見届けましょう。

[玄関先での見送りかた]

  1. お客さまが靴をはいたらコートを渡し、玄関で着てもらいます。
    コートを渡す
  2. 傘や手荷物などを渡します。傘は柄を差し出すようにしましょう。
    傘を渡す
  3. ドアを開けて送り出します。目上の方ほど、遠くまで見送ります。
    お見送り

 



訪問のマナーQ&A

Q なかなか帰らないお客さまには、どう切り出したらいい?

A さりげない言いかたで気ついてもらうように促します
話が弾むのはよいのですが、あまり長居されても困ることがあります。そんなときは、お客さまの気分を害さずお引き取りいただく伝えかたをしたいものです。
例えば、話題を徐々に変えて「きょうは楽しかったですね」などと過去形で言う、お茶を入れかえるなどの伝えかたがあります。また、次の予定をさりげなく伝えるのもよいでしょう。

さりげない言い方でさりげない言いかたで相手に気づいてもらいます。

Q 突然のお客さまは、どうやってお断りすればいい?

A むげに断らず、時間の許す限り対応します
よほど目上の方でない限り、事情を説明してお断りしても失礼にはあたりません。ただ、玄関先でもよいので、時間の許す限り話を聞き、相手に「迷惑がられた」という印象をもたせないことがたいせつです。

Q 手みやげにいただいたお菓子は出してもいい?

A「お持たせですが」と断ってから

本来お客さまには出さないのがマナーですが、生菓子は、ひと言断ってからなら、出してもかまいません。また、最初は用意していたお菓子でもてなし、2杯目のときに断ってからお出ししてもよいでしょう。

Q 来客中の電話にはどう対応すればいい?

A 先客があることを伝え、手短に切り上げます

電話やインターホンが鳴ったら、家に自分ひとりしかいなければ、相手に断ってから席を立ってもかまいませんが、相手が手もちぶさたにならないように、手早く切り上げることがたいせつです。電話の相手や訪問客には、先客があることを伝えて、あらためて連絡することを申し出ましょう。

Q お客さまが子ども連れの場合に準備しておくことは?

A 危ないものや壊れやすいものは、高い場所に片つけておく

客間にある危ないものや壊れやすいものは、高い場所に移動させるか片付けておきましょう。

 

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