おいしくいただくテーブルマナー 冠婚葬祭事典⑤

冠婚葬祭事典 テーブルマナー編

目次 Contents

レストランでのふるまい

いすは左側から入りバッグは背もたれに置く

レストランや会場では、係の人にしたがって席に向かいます。席に着いたら、いすの左側に立ち、いすが引かれたら、テーブルといすの問に移動します。いすがひざの裏に当たったらゆっくりと着席します。
テーブルと体は、にぎりこぶしひとつ分あけるのが目安。離れすぎると、食べる姿勢が悪くなるので気をつけましょう。いすには背筋を伸ばし、深く腰かけます。
バッグはいすの背もたれと腰の間に置きます。大きめのバッグは、あらかじめクロークに預けるか、いすの右側の足もとに置きます。左側に置いたり、ショルダーバッグをいすの背にかけると、接客係のじゃまになるので避けましょう。小さなバッグの場合は、ひざの上に置き、その上にナプキンを広げます。

ナプキンは二つ折りにし輪を手前にしてひざヘ

ナプキンは二つ折りにし、輪を手前になるようにしてひざにかけます。口をぬぐうときは折り畳んだ内側を使い、汚れた部分が見えないようにします。
中座するときは、軽く畳んでいすの上に置きます。帰るときはさっと畳んで、テーブルの右側に。きちんと畏むと「料理がまずかった」といラ意味になるので気をつけましょう。

[ナプキンの扱いかた]

  • ひざに置くとき
    ナプキンは膝の上に
    ナプキンは二つに折り、輪のほうを手前にしてひざに広げます。
  • 口をぬぐうとき
    口をぬぐうとき
    口をぬぐうときは、汚れが目につかないように折り畳んだ内側を使います。

 


西洋料理のマナー

スプーンやフォークは外側から順に使う

西洋料理のフルコースでは、料理皿の右にナイフ、左にフォークが、あらかじめセットされています。料理が運ばれたら、外側から順に対で使います。カトラリーとは、ナイフ、フォーク、スプーンの総称をいいます。

パンはちぎっていただく

パンはかたまりのまま、かぶりつくのではなく、皿の上でひとロサイズにちぎります。ナイフで切るのはマナー違反。バターは必要な分だけ自分の皿に移して使いましょう。デザートまでには食べ終えるようにします。

[カトラリーの扱いかた]

食事の途中では皿の上に「八」の字に置きます。フォークは下向きに、ナイフは刃を内側に向けて置きます。食べ終わったらフォークは上向きに、ナイフの刃は内側に向けて、右のほうにそろえて置きましょう。

  • 食事中
    食事中のカトラリー
    カトラリーの先を皿にかけるのはフランス式、のせるのはイギリス式。
  • 終了
    終了のカトラリー
    ナイフとフォークはそろえてななめ、またはまっすぐに置きます。

[ワイングラスの扱いかた]

飲むときは、手の温度が伝わらないように、脚の部分をもち、ついでもらうときは、もち上げずテーブルに厦いたままに。グラスの縁が口紅や油で汚れてしまったら、軽く指でぬぐいます。

  • もつときは
    ワイングラスの持ち方
    グラスの脚を親指とひとさし指で挟み、ほかの指を添えます。
  • つぎ足しを断るとき
    つぎ足しを断るとき
    グラスの口に手をかざして、さえぎるようにするのがサインです。

ここがポイント

西洋料理のフルコースでは、セッティングされたカトラリーを、外側から順に使う。

メモ フルコースのセッティング

フルコースのセッティング

  1. シャンパングラス
  2. 白ワイングラス
  3. 赤ワイングラス
  4. ゴブレット(水用)
  5. スープスプーン
  6. オードブルナイフ
  7. 魚料理用ナイフ
  8. 肉料理用ナイフ
  9. ナプキン
  10. 位置皿(アンダープレート)
  11. オードブルフォーク
  12. 魚料理用フォーク
  13. 肉料理用フォーク
  14. フルーツナイフ
  15. フルーツフォーク
  16. デザートスプーン
  17. バターナイフ
  18. バターポット
  19. パン皿

日本料理のマナー

懐紙を使いこなせばスマートな印象に

座布団に座る場合は、必ず正座をします。どうしても姿勢を崩したいときは、女性の場合、上半身を崩さず、足だけをななめにそろえて流します。ただし、正座を崩すのは乾杯が終わってからにしましょう。
おしぼりを使うときは、ひざの上でさりげなく。使い終えたら軽く丸めて置きます。
懐紙は茶席で使うものですが、口本料理の席でも用意しておくと役立ちます。口もとやはし先の汚れをぬぐうのはもちろん、こぼれやすいものをいただくときに受け皿代わりにしたり、皿に残った魚の骨を隠したりするのに使えます。また、小骨や種などを受けるときにも便利です。懐紙を使いこなす習慣は、さまざまなシーンで役立つので、身につけておくとよいでしょう。

お酒を飲めない人もI杯目はいただく

お酒は飲めなくても、―杯目は断らずにいただくのが礼儀。杯は左手にのせて右手を軽く添え、お酌をするときは、徳利の胴を両手でもち、ゆっくりつぎます。日本酒は手酌は避け、自分の杯が空になったら周囲の人にお酌を受けます。お酒を断るときは、杯に手でふたをするようにしましょう。

[懐紙や杯の扱いかた]

  • 懐紙の扱いかた
    懐紙の扱い方
    皿に残った魚の骨や皮、果物の種などをさりげなく包みます。こうすれば、食べ終えた後の皿もきれいです。
  • 杯の扱いかた
    杯の扱い方
    お酌をする側は徳利を右手でしっかりもち、左手を添えます。受ける側は左手に盃をのせて右手を添えます。


日本料理のはしの扱いかた

はしは右手で取り両手でもち上げる

はしを取り上げるときは両手で行います。右手で取り上げたら下から左手を添え、右手でもちかえます。もつ位置は、真ん中より少し上が適当。

[はしの取り上げかた]

  1. はしの中央よりやや右側を、右手で静かにもち、下から左手を添えて、右手を右端へ滑らす。
    はしの取り上げ方1
  2. 右手を返し、はし先から3分の2の位置を下からもつ。
    はしの取り上げ方2
  3. 上のはしは、ひとさし指と中指で挟み、下のはしは薬指で支える。
    はしの取り上げ方3

食事中のはしは はし置きに置く

食事の途中ではしを置くときは、はし置きの上にはし先を3センチほど左に出して置きます。はし置きがない場合、折敷の左縁から3センチほど出して置くか、千代結びや二つ折りにしたはし袋を、はし置き代わりにします。はしを置くときは、両手を添えるのが基本です。

[はしづかいのタブー]

はしづかいは和食の基本です。最低限のマナーとして知っておきましょう。

渡しばし はしを器に渡して置くこと。
さぐりばし 料理にはしを突つ込み、食べ物を探ること。
刺しばし 料理をはしで突き刺すこと。
寄せばし 器をはしで引き寄せること。
握りばし はしを握つたまま、片手で器をもつこと。

メモ はしの正しい使いかた

はしの正しい使いかたは、礼儀正しく見え、同席者にとってもよい印象を与えます。少量ずつを口に運ぶと、より美しく見えます。
食事中はおもに上のはしだけを動かし、3本の指で開いたり閉じたりして食べ物を挟みます。
また、割りばしを割るときは横にしてもち、上下方向に割ります。ささくれが気になるときは手で取りましょう。

和食の膳


日本料理の器の扱いかた

小皿は手にもっていただく

日本料理では、手のひらにのる器類は手にもっていただくのがマナーです。お造りを食べるときは、しょうゆの入った小皿を胸のあたりまでもち上げて食べます。テーブルに小皿を置いたまましょうゆをつけ、口に運ぶときにお造りを左手で受けて食べるのは、手を汚すことになり、見た目にも美しくないので避けましょう。
反対に、お造りやてんぷらが入っている大きい器や、焼き魚の皿、大きなどんぶりはもって食べてはいけません。

和食のいただき方和食では茶碗、汁椀、小皿、小鉢、小さめのどんぶりなどは手にもっていただきます。

器をもつときははしを置いてから両手で

器をもつときは、必ず両手でもち上げます。そして、左手の親指を除いた4本の指の上に器をのせ、親指を器の側面に添えてから、右手を離します。はしをもっている場合は、いったんはしをはし置きに置いてからにしましょう。
ふたつきの椀は、左手を椀の側面に添えて、右手でふたをつまみ、手前にずらすようにしてあけます。ふたの内側についた水滴は椀のなかに落とし、上向きに返して右横に置きます。食べ終えたら、ふたは少しずらした状態で戻します。裏返して重ねるのは、塗りの器を傷つけるのでやめましょう。
汁をこぼさないように左手を受け皿代わりに添えるのも、手を汚しかねず、器をもつか、懐紙などで受けるようにします。

 


中華料理のマナー

円卓は右回りが基本

円卓では、入り口からもっとも遠い席が主賓の席(上座)となります。回転台を右まわりに回すことから、その左隣が2番目、右側が3番目の席となります。目上の方を上座に、夫婦やカップルで参加の場合は、女性が上座に座ります。ただし、小さな子どもがいる場合は、大人の間に座らせるようにします。
中華料理は多くの場合、回転台のついた円卓を大人数で囲んでいただきます。料理は大皿で出され、各自で取り分けます。
出された料理は主賓が最初に取り、回転台を時計と同じ右まわりに回して次の人が取ります。ただし最初の料理だけは、全員が取り終わってから、はしをつけます。
取り皿は、基本的に料理ごとにかえます。遠慮せずに新しい皿を使いましょう。

[中華料理のタブー]

 

 



立食パーティーのマナー

必要のない荷物はクロークに預ける

立食パーティーの会場には、荷物を置く場所がないので、大きな荷物の場合は、小ぶりなバッグに必要なものだけを移し、必要のない荷物は、クロークに預けましょう。
会場を自由に移動できる立食パーティーは、交友関係を広げるチャンスです。多くの人との会話を楽しみ、積極的に参加しましょう。

[グラスと皿のもちかた]

  • グラスをもつ
    グラスの持ち方
    氷が入ったグラスは水滴が落ちるので、紙ナプキンを巻いてもちます。
  • 皿とグラスをもつ
    皿とグラスを持つ
    親指とひとさし指の間にグラスを握り、皿はひとさし指と中指に挟みます。

ひと皿に盛る料理は少量を3品までに

メインテーブルの料理は、オードブルから取り、メインディッシュ、デザートの順でいただきます。料理は何度取りにいってもよいので、1枚の皿に山盛りにせず、少量を数回に分けて取ります。
ひと皿に取る料理はせいぜい3品までにします。ただ、ソースがたっぷりかかった料理などは、―品だけにしたほうが味も混ざらず、見た目もきれいです。また、取り皿は使い回さず、そのつど新しい皿を使いましょう。
料理は各自で取るのが基本ですが、だれかにもっていく場合は、ひとり分を1枚のお皿に盛ります。大量に取って仲間で分け合ったりするのはマナー違反。料理を取り終えたら、ほかの人のじゃまにならないようにメインテーブルから速やかに離れましょう。

 


立食ティーのタブー

会場のいすはゆずり合って座る

パーティーの会場には、足を休めるためのいすが用意されています。疲れたら、腰を下ろして休んでかまいません。ただし、いすの数は人数分より少ないことが多いので、荷物を置いて席を占領したり、長時間、座り込んで食事をするのは避けましょう。

食べ終えた皿はサイドテーブルへ

食べ終えた皿は接客係に渡すか、サイドテーブルなどに置きます。重ねて置くのは皿を傷つけたり、割れる恐れがあるので避けましょう。
食べ残しがあるときは、皿の上に紙ナプキンを置いておけば、食べ終わったという印になり、接客係が下げてくれます。

[立食パーティーのタブー]

立食パーティーのタブー

 


テーブルマナーQ&A

Q レストランで料理を分け合うのは、マナー違反でしょうか?

A フォーマルな場では、やめておきましょう

皿に盛られた料理は、それぞれ別の料理です。親しい仲であってもフォーマルな場では、お互いの皿の料理を交換することはやめましょう。例え、自分たちがよくても、その店の格を下げてしまうことにもなりかねません。
基本的に「相手の料理を食べたい」と思うのは、はしたないこととされています。外食の際は、店の雰囲気や同席者との関係をわきまえて、節度ある行動を心がけましょう。家庭的な雰囲気のレストランだったり、同席者が身内のような関係であれば、だいじょうぶな場合もありますが、判断に迷ったら、避けたほうが無難です。

Q 食事中にトイレに行きたくなったときはどうすればよいでしょう?

A 相手に断り、さりげなく中座しましょう

食事中の中座は、同席者に対して失礼になるので、基本的には、トイレや化粧直しは、食事の前にすませておくのがマナーです。特に、コース料理をいただくときは注意しましょう。
そうはいっでも、がまんできないのが生理現象です。そんなときは「ちょっと失礼します」と言って席を立ちます。細かな理由を話す必要はありません。

食事中のトイレ「ちょっと失礼します」と相手に断って席を立ちます。

Q レストランで写真を撮りたいときは許可を取る必要がありますか?

A 勝手に撮らず、店の了解を得てからにします

シャッターの音やフラッシュなどで、ほかのお客さまの迷惑になることがあります。写真撮影は、店の人の了解を得てからにし
ましょう。
また、何かの集まりに招がれた場合は、主催者に許可を求めます。勝手に撮影するのは、主催者に対して失礼になります。個室などを除いては、公共の場であることを忘れないようにしましょう。


冠婚葬祭早引き事典シリーズ

① 教えて 祝儀袋の表書き
② 喜ばれる 中元・歳暮の贈り方
③ バッチリ決める!訪問のマナー
④ 大切なお客様の おもてなし
⑤ おいしくいただくテーブルマナー
⑥ 『手紙の書き方』これで解決!
⑦ これで安心!結婚式に招待されたら!
⑧ 仲人を頼まれたら
⑨ 婚約・結納のしきたり
⑩ 結婚披露宴のプランニング
⑪ 結婚式挙式のプランニング
⑫ 出産から成人まで!わが子のお祝いごと
⑬ 大切にしたい人生の記念日・お祝いごと
⑭ 暮らしの歳時記
⑮ お葬式参列のしきたり
⑯ ご臨終!突然「遺族」になったら
⑰ 仏式のお通夜・お葬式
⑱ 神式・キリスト教式のお葬式
⑲ 終活・生前にしておきたいこと
⑳ お葬式 Q&A よくあるご質問
㉑ お葬式が終わってからのこと
㉒ お墓と納骨のこと
㉓ 四十九日・年忌法要の行い方

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で「がばいはやぶさ」をフォローしよう!

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


ページ上部へ戻る