目次 Contents
キリスト教式結婚式の基本
多くの人が参列できる人気の挙式スタイル
キリスト教式結婚式は、多くの人が選ぶ定番の挙式スタイル。聖書のことばや長い歴史をもった誓いのことばがかもし出す、厳粛さとあたたかな雰囲気が人気の秘密のようです。
披露宴からではなく、式から友人などに参列してもらえるのも魅力。ホテルなどのチャペルなら、信徒でなくても式が挙げられます。
進行の流れやふるまいかたは念入りに打ち合わせる
キリスト教の結婚式は、何を用意して、どのようにふるまうかなど、事前に打ち合わせをしておくことが必要です。独唱者の依頼を希望する場合など、要望があれば会場側の担当者とじっくり話し合います。入場のしかたや式でのふるまいかたなどは、司式者の指示にしたがいましょう。
介添(かいぞ)え人は友人か媒酌人に依頼
教会で行う結婚式では、新郎に「ベストマン」、新婦に「ブライドメイド」と呼ばれる介添え人がつくことがあります。新郎新婦の世話係でもある介添え人は、媒酌人が兼ねてもよいですが、媒酌人を立てない場合は、新郎新婦の友人などにお願いします。
[キリスト教式結婚式の席次] 祭壇に向かって右に新郎側、左に新婦側に分かれます。前列から両家の父母、親族が並び、友人やそのほかの参列者は自由に着席します。 |
メモ プロテスタントとカトリック
キリスト教式でも、プロテスタントは信者でなくても式を挙げられる一方、カトリックは新郎新婦のどちらかが信者であることが原則です。そのためホ
テルや結婚式場などで行う挙式は、基本的にプロテスタント。会場をチャペル(礼拝堂)と呼びます。プロテスタントとカトリックは、結婚の考えかた
や呼称(牧師〈プロテスタント〉と神父〈カトリック〉など)などが異なります。
メモ ドレスは歩きやすさも意識して
キリスト教式結婚式での衣装は、新郎はモーニングコート、新婦は純白のウエディングドレスが一般的です。新婦は父親と並んで歩くため、すそが極
端に広がっているような、歩きづらいドレスなどは避けましょう。
キリスト教式結婚式の進行
ホテルや式場での挙式の流れはリハーサルで確認
挙式の流れを確認するため、多くの会場では当日の本番前にリハーサルを行っています。
衣装を着ると案外動きにくいので、歩きかたなどをしっかり練習します。挙式の進行は会場によって若干違うので、事前に確認します。
また、参列者は席次の例のように、式の開始前に着席します。
挙式料は定まっているケースがほとんど
ホテルや結婚式場では、司式者の牧師、神父への支払いも含め、挙式料が定まっていることがほとんど。披露宴費用も含め、事前に一括で支払います。牧師、神父への個人的なお礼をしたいときは、別に1万~2万円程度を用意します。そのとき表書きは「御礼」として、両家連名で渡します。
[キリスト教式結婚式の流れ※プロテスタント教会の場合]
式の時間は約40分。独唱者やオルガニストを依頼したり、好きな讃美歌を選んで個性を出すこともできます。教会によっては式で婚姻届の署名を行うこともあります。
- 参列者入場
会場スタッフの案内にしたがって、会場に入場し、着席します。 - 新婦入場
新郎が入場し入口側を向いた後、新婦と新婦の父親が入場します。 - 讃美歌斉唱
新郎新婦が牧師のほうを向き、父親が席に着いたら、参列者も起立して讃美歌を歌います。 - 聖書朗読
牧師が聖書の一節を朗読します。 - 説教
結婚や愛について語られます。牧師を見て、しっかりと話を聞きましょう。 - 誓約
牧師から結婚の誓約を新郎新婦それぞれに問いかけます。新郎新婦は「はい、誓います」と皆に聞こえるようにはっきり答えます。 - ベールアップ
新婦のベールを新郎が上げ、誓いのキスをします。ほおにキスをする場合は、新婦の左ほおにします。 - 指輪の交換
新婦は手袋を取り、ふたりで左手薬指に指輪を付け合います。 - 祝祷・宣言
牧師が新郎新婦の右手を重ね合わせ、さらに自らの手を重ねて、神の祝福を祈ります。 - 讃美歌斉唱
全員起立し、結婚成立を祝って讃美歌を歌います。 - 新郎新婦退場
参列者の間を歩く際は、途中で立ち止まらず、祝福のことばをかけられたら、笑顔で軽く会釈しましょう。
キリスト教式結婚式一教会で行う
教会によっては信徒以外でも挙式が可能
本来、教会で行う結婚式はキリスト教信徒のためにあります。そのため結婚を誓う儀式は、信徒の信仰に根ざした重要な意味をもちます。ですが近年、カトリック教会、プロテスタント教会ともに、多くの教会で信徒以外でも挙式をできるようになってきました。教会では結婚式の前に、式への理解を深めるための講座を設けたり、牧師、神父と話し合いをするのが普通です。式では、介添え人(証人)がふたり必要とされます。媒酌人とは異なり、ふたりの結婚の誓約の証人として重要な意味をもつ役割。知り合いの夫婦や友人、媒酌人に依頼してもよいでしょう。
新婦と新婦の父がバージンロードを歩く時は足並みをそろえることがたいせつ。足は左・右、右・左、左・右……という順で出します。
費用や日取りは教会ならではの注意が必要
教会によって挙式料を設定しているところもありますが、一般的には自由です。目安は教会への「献金」として、10万円前後を用意します。この場合、祭壇の花などの経費は別。また、牧師、神父へ1万~2万円程度の個人的なお礼をする人も多いようです。
教会では式を行える日と時間が決まっています。例えば、日曜日は礼拝があるのでその時間は避けます。また、冬の終わりから4月にかけてある受難節(四旬節)という40日間は、式を行わない教会が多いので注意が必要です。
メモ 祈りの場やとしての教会への配慮を忘れない
教会は信者が祈りをささげる厳粛な場です。当日はもちろんのこと、見学時も信仰への理解と配慮が必要です。例えば、礼拝時間は避ける、肌の露出は控える、写真撮影は許可を得てから行うなど、失礼のないふるまいをするのが、基本マナー。
また、カトリックでは離婚や再婚が認められていないなど、カトリックとプロテスタントの教えや教義の違いを理解しておくこともたいせつです。
神前結婚式の基本
日本古来の格式ある挙式スタイル
神道では夫婦の契りを固める結婚を、神々や先祖からのお計らい(御神縁)やお恵みであると考えています。また、結ばれた両家と本人がそのお計らいに感謝し、明るい家庭生活を送れるようお祈りする祭でもあります。
式はホテルや結婚式場の神殿や、神社で行います。式への参列は親族のみが主流でしたが、最近では後ろに席を増やしたりして、友人など親族以外の参列も可能になってきています。
挙式料は「初穂料」として事前に渡す
神社で挙式をする場合の挙式料は、「初穂料」などと表書きした祝儀袋に入れます。両家連名で当日まで、または式の始まる前に、神社の受付か担当者に渡します。金額は式の内容や地域によって差があります。なかには規定の料金を設定している神社もありますが、わからない場合は事前に問い合わせるのがよいでしょう。
このほか、神職や巫女へのお礼を渡す場合もあります。この場合は表書きは「御礼」とし、両家連名にします。
ホテルや式場の神殿は、豪華なつくりのところや、雅楽の生演奏がつくところなど、バラエティーが豊か。
メモ 一般的には和装、洋装でも可
新郎新婦の衣装は和装が一般的。新婦の衣装は、白色の白無垢が好まれますが、色打ち掛けも人気です。挙式では、白無垢に綿帽子か角隠しを着用します。これらは神職の冠と同じように、神聖なかぶりものの一種です。
和装に抵抗がある場合、ウェディングドレスなどの洋装でもかまいません。ただし、雰囲気を考えれば和装のほうが好ましいでしょう。新郎は新婦に合
わせるのが原則なので、新婦が和装なら新郎も和装に、洋装なら洋装にします。
神前結婚式の儀式と席次
神前結婚式は神職と巫女が執り行う
神前結婚式は、かつてより大幅に簡略化されているものの、玉串奉寞(たまぐしほうてん)や三献(さんこん)の儀(三三九度の杯)など厳かな儀式がいくつかあります。玉串奉奥とは、神々や先祖からのお恵みに感謝し、明るい家庭生活が営めるよう、祈りを玉串に託してお供えする儀式。また、三献の儀は、巫女のつぐお神酒を交互に、三つの杯で、1杯を3口で飲み干し、新郎新婦の縁を固め、繁栄を祈る儀式です。
[神前結婚式の席次]
[玉串奉奠(たまぐしほうてん)のしかた] |
メモ 神前結婚式の流れ
- 新郎新婦、媒酌人、親族の順に入場。
- 神職が神前に進み、式の始まりを告げた後、全員起立し頭を下げ、修祓(おはらい)を受けます。
- 神職が神にふたりの結婚を報告する祝詞を読み上げます。
- 新郎新婦は起立し、三献の儀を行います。その後、指輪の交換をします。
- 新郎新婦は神前に進み、新郎が誓詞を読み上げます。
- 席に戻り、神職から玉串を受けます。新郎新婦は神前に進み、玉串を玉串案(玉串を置く台)にささげます。
- 両家の親族がそろってお神酒をいただき、親族としての契りを結ぶ、親族杯の儀を行います。お神酒は3口で飲み干します。
- 全員が起立して神職に合わせ、神前に向かって拝礼をします。
- 新郎新婦を先頭に、媒酌人、親族の順に退場します。
※式の内容と順番は式場によって異なります
披露宴で新郎新婦が心がけること
招待客をもてなす気持ちがたいせつ
ホテルや結婚式場で行われる一般的な披露宴は、およそ3時間が目安。入場から招待客の見送りまで、次々にやることがあります。スケジュールを確認してスムーズに行いましょう。
新郎新婦はもちろん主役ですが、招待客をもてなす立場でもあります。最近は自由なスタイルが増えてきたため、一歩まちがうと趣味の押しつけになることも。招待客のことをいちばんに考え、全員がくつろいで楽しめるような披露宴にするという気持ちをたいせつにしましょう。
[一般的な披露宴の流れ]
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当日の新郎新婦のマナー
祝辞を受けるときは起立する
媒酌人のスピーチはふたりの紹介も含めた主催者側のあいさつにあたります。起立して、媒酌人といっしょにあいさつするような気持ちで拝聴し、話が終わったら一礼します。主賓の祝辞も、「おかけください」と声をかけられるまでは起立して拝聴します。
感極まっても見送りまでしっかりと
招待客と食事やお酒を楽しむことはたいせつですが、特に飲みすぎには注意しましょう。
主役が酔っ払うわけにはいかないので、杯を受けたら口をつけ、全部は飲まずに、そっと足もとの容器に捨てます。
食事はほとんど口をつけられないかもしれませんが、まったく食べないのも失礼ですから、オードブルなどの食べやすいものを口にします。来賓の祝辞や余興のときは手を止めて、視線を向けるようにしましょう。
披露宴のクライマックスである花束贈呈から新郎のあいさつまでは、背筋を伸ばして凛とした態度で務めましょう。感極まって涙することがあるかもしれませんが、あくまでも披露宴なので、招待客への感謝の気持ちをきちんと表して、最後の見送りまでしっかり行いましょう。
[新郎新婦の美しいふるまい]
- 立ちかた
ふたりで並んで立つときは、背筋を伸ばして、お互いが少しずつ肩を引いて内側に向き合うと、伸むつまじく見えます。 - 座りかた
腰かけるときは、やや浅めに、できるだけスッと自然に腰を下ろします。ドレスを気にして、うつむきすぎないように注意。 - 歩きかた
背筋を伸ばして、ゆっくりと歩きます。足もとの5メートルくらい先を見ながら伏し目がちにすると美しく見えるでしょう。 - おじぎ
背筋を伸ばして上半身をゆっくりと前に15度傾けます。このとき目はやや伏し目がちにしたほうが上品に見えます。上目づかいはNG。
背筋を伸ばし、胸を張ると、ドレスにふさわしい姿勢に。また、ふたりの座る、歩く、おじぎのタイミングがそろうと美しく見えます。
親族紹介と記念撮影
媒酌人か両家の父親が続がらと名前を紹介
挙式の後に、両家の親族が一堂に会して親族紹介を行うことが多いようです。紹介役は媒酌人が務めるのが正式ですが、現在は新郎新婦の父親が行うのが一般的です。父親がいない場合は、母親かおじなどが行います。お祝いのことばを述べた後、新郎側、新婦側の順番で、血縁の近い順に続がらと名前を紹介します。紹介された親族は「よろしくお願いします」と軽く礼をします。
親族紹介が終わると、親族一同で記念撮影が行われます。カメラに向かって右に新郎側、左に新婦側で、親族は新郎新婦を中心にして、ふたりとの関係が近い順に並ぶのが基本です。
後日、記念写真ができあがったら、各家庭に1枚ずつお礼の手紙を添えて送るとよろこばれるでしょう。
[親族紹介の流れ]
- 媒酌人または新郎新婦の父親があいさつ
- 新郎の父親が新郎側の親族を紹介
- 新婦の父親が新婦側の親族を紹介
紹介する順番は、新郎側から行うのが一般的です。親か新郎が自らの親族を紹介するのが定番ですが、親族が多すぎたり、反対にごく内輪だけですませたりという場合は、個々に自己紹介するケースも珍しくありません。
[記念撮影の並び方]
挙式の披露宴の間に、親族紹介と一同の記念撮影が行われます。
心付け、お礼の渡しかた
心付けは重複しないように、両家で分担する
心付けには宴会場スタッフなど両家の連名で用意するものと、着付け係や介添え人などお世話になった側の名前で用意するものがあります。事前に両家で打ち合わせをして、重複やもれのないようにしましょう。また、司会や受付などを新郎新婦の友人が行った場合、お礼が必要かどうかは、新郎新婦に確認をしておきます。
[心付けとお礼の金額と渡しかた] ※金額は目安です
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当日の親の役割
新郎新婦と同様に笑顔でおもてなしを
両親は新郎新婦と同様、この結婚式の主催者。笑顔で招待客を迎え、おもてなしします。
当日、会場に着いたら、まず挙式が始まる前に、相手方の控え室に出向いて「本日はどうぞよろしくお願いします」とあいさつを交わしましょう。また、祝電選びに立ち会ったり、披露宴後の片づけも親が手伝います。
新婦は特に当日、準備の疲れや緊張などで体調が悪くなることも。新婦の親は、本人が無理していないか気づかってあげましょう。
心付けやお車代を渡すのもたいせつな役目
両親のもっとも重要な役割は、忙しい新郎新婦に代わって、お世話になった方々への対応をすることです。あいさつや心付けの渡しかたなど、事前に両家で段取りを決めておきましょう。
会場スタッフや係へは、できるだけ最初に顔を合わせたときに、「本日はお世話になります。ほんの気持ちです……」と言って心付けを渡します。
媒酌人や主賓が会場に到着したら、まずあいさつ。披露宴の終了後には駐車場やエントランスまで見送ります。お礼やお車代は、披露宴後、控え室やラウンジなどの落ち着いた場所で、新郎新婦とともに渡しましょう。
心付けやお礼を渡す際は、感謝の気持ちを込めてあいさつをしてから差し出します。
披露宴で各テーブルにお酌して回る親の姿はよく見られますが、これはケースバイケース。その場の雰囲気に合わせて会場の指示にしたがいましょう。
メモ 当日の親の出番
- 係へのあいさつと心付け渡し
スタッフや係へは最初に心付けを渡してしまうのがベスト。ただし、会場スタッフには無理強いしないように。 - 新郎(新婦)側へのあいさつ
挙式が始まる前に相手の控え室に出向き、あいさつを交わします。 - 媒酌人や主賓へのあいさつ
媒酌人や主賓が会場に到着したら、まずあいさつを。披露宴後は見送ります。 - 祝電選び
親が懇意にしている人から祝電が来る場合も。読み上げる祝電の整理に立ち会いましょう。 - 新婦を気つかう
特に新婦の母親は、娘のことなので無理していないか、つねに気づかって。 - 片づけ
披露宴後の精算やスタッフへのお礼、もち物の確認など最後まで心配りを。
披露宴が終わってからすること
媒酌人や会場スタッフに感謝を述べる
会場の出口で新郎新婦と両親が並んで、招待客ひとりひとりにお礼を伝えて見送ったら、主賓や媒酌人にお礼をします。
媒酌人へのお礼は、挙式後に日をあらためて、両親と新郎新婦が媒酌人宅に届けるのが正式ですが、新郎新婦が新婚旅行に出かけたり、媒酌人が遠方だったりすることもあるため、最近では披露宴の当日にお礼をするケースが多くなっています。当日お礼を渡す際は、「本来なら、あらためてお礼におうかがいしなければならないのですが、こちらにて失礼させていただきます」と断りを入れたうえで、お礼を述べます。控え室など静かな場所で、菓子折などにお礼の金封とお車代をのせ、渡すとよいでしょう。
主賓には、感謝の気持ちを「お車代」として渡してから、車寄せまで見送りましょう。
精算と片づけをすませて会場を出る
挙式や披露宴の費用は事前に払っておくことが多いものですが、当日精算がある場合は披露宴後にすませます。
荷物の片づけ、着がえがすんだら、会場責任者にあいさつをして会場を出ます。二次会に行くなど新郎新婦が両親と分かれる場合は、ふたりから両親への感謝とねぎらいのことばを忘れずにかけましょう。
[披露宴後の流れ]
- 媒酌人や主賓にお礼を述べ、お礼を渡す
- 媒酌人や主賓を見送る
- 精算をする
- 後片づけをする
- 会場責任者にあいさつする
メモ 結婚式の翌日以降のあいさつ
結婚式当日に媒酌人への謝礼を渡さなかった場合、結婚式後2~3日以内に両親を伴って、媒酌人宅へあいさつにうかがうのが正式。
また、結婚式の後すぐ新婚旅行に出かける場合は、両家の親が先にうかがい、ふたりは新婚旅行から帰ったら、なるべく早くつごうをうかがって訪問
します。その際は新婚旅行のおみやげを贈り物にするとよいでしょう。
なお、双方の両親にもおみやげをもって、あらためであいさつに行きます。正式には男性側の実家から訪問します。
内祝いを贈る
お祝いをくださった方に内祝いでお返しする
結婚のお祝いをいただいたものの、披露宴に招待しなかった方には、内祝いとしてお返しを贈ります。贈られた額の3分の1から半額を目安に、引き出物と同様に、相手に喜ばれるような品に手紙を添えて、披露宴後1か月以内に贈りましょう。なお、披露宴に出席した人には内祝いは不要です。
相手に喜ばれる品を選ぶ
内祝いの品は、だれからも喜ばれる、上質で実用的なものがよいでしょう。良質でシンプルなデザインのタオル、コーヒーや紅茶、食器、そしてカタログ式ギフトなどもあります。引き出物を多めに注文しておき、それを贈るケースも一般的です。
紅白の結び切りの水引に、表書きは「内祝」、名前は夫婦連名にします。
[内祝いのお礼状の文例]
メモ 内祝いの表書き
- 水引
紅白の結び切り - 表書き
「内祝」「寿」 - 金額の目安
ご祝儀の3分の1~半額。※送り主は夫婦連名
メモ 連名でいただいた場合のお返し
連名でいただいた場合も、必ず内祝いを贈ります。お返しが少額でもかまいません。「いただいた品の半額をもらった人数で割った額」が、ひとり分
の内祝いの目安。ちょっとしたものでもお返ししましょう。
入籍のタイミングと手続き
婚姻届は1年中24時間いつでも提出できる
入籍のタイミングは、挙式の後が一般的とされていましたが、最近では挙式前に婚姻届を提出する人も多くなっているようです。
挙式前に引っ越しをすませ、婚姻届や住所変更の届け出や各種手続きを同じタイミングで行うというケースも。こうすると役所へ出向いたり、必要書類をそろえる手続きを同時に行えたりするので、合理的に進められます。
婚姻届は、それぞれの本籍地または新本籍地、住所地の役所で、1年中24時間提出可能。受理された日が法律上の正式な入籍日です。
婚姻届を提出するのには、正しく記入された婚姻届のほかに、戸籍謄(抄)本や身分証明証などが必要です。また、成人2名の署名と押印も必要で、親、仲人、きょうだいなどにお願いするケースが多いようです。
入籍日を忘れないようにするために誕生日や記念日、元日などを選ぶカップルが増えています。
[入籍時に必要なもの]
- 婚姻届
用紙は全国の役所で入手可能。書き損じたときのために予備の分ももらいましょう。必要事項をもれなく、正確に記入します。 - 戸籍謄(抄)本
これまでの本籍地でない役所に届ける場合に添付。新しい本籍地に提出する場合は、発行後3か月以内の戸籍謄本を用意します。 - ふたりの印鑑
婚姻届に押印します。書類に不備があった場合、訂正印として必要なので、婚姻届を提出するときも持参しましょう。ゴム印は不可。 - 身分証明証
届け出る人を確認するため、運転免許証やパスポートなど写真付き身分証の提示が求められることがあります。
気をつけよう! 書類の書き損じを修正液で消さないで
婚姻届の記入時に書き損じた場合、修正液で消すと記入ミスになります。正しくは、書き損じ部分を二重線で消して、余白に書き直します。署名欄に
押印した印を左側欄外にも押印しておきます。署名欄の書き損じの場合は訂正印が必要です。
メモ 国際結婚の場合の手続きは
外国人との婚姻を国内で届け出る場合は、相手の婚姻要件具備証明書や、翻訳したその日本語文、国籍証明書などが必要になります。ただし、相手の
国籍によって、届け出方法や必要書類も異なるので、まずは近くの役所に相談するのがよいでしょう。
結婚に伴う届け出
効率的にまとめてすませる
婚姻届以外にも、結婚や新居への引っ越しに伴い、さまざまな手続きや届け出が必要になります。役所を始め、銀行など平日の昼間しか手続きできないところが多いので、休暇を取って1日にまとめるのがおすすめ。二度手間にならぬよう、必要書類や、手続きの場所などを事前に確認して準備しましょう。
役所以外の届け出が必要な手続きも忘れずに
役所以外にも姓や住所が変わることで、必要になる手続きは多数あります。海外に新婚旅行に行く場合、入籍後も旧姓のパスポートで渡航できますが、航空券など旅行の手続きはすべて旧姓のままで行う必要があります。
[役所への届け出]
[役所以外への届け出] ライフライン
住所・姓の変更
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メモ 勤務先への届け出
結婚退職をする場合は、結婚が決まった段階で上司に相談をし、退職を希望する時期の3か月前までには退職届を提出します。また、新婚旅行に行くときは、日程が決まりしだい、1か月前までには休暇届を出しましょう。
さらに、入籍後、職場へ結婚届(身上異動届)などを提出することも。届け出るものは勤務先によっても異なるので、人事課などに確認しましょう。
メモ 結婚を機に退職する場合
結婚を機に退職し、専業主婦やパート勤務になる人は、健康保険や厚生年金、雇用保険の手続きが必要になります。また、年度の途中で退職し、年末調整を受けていない場合は、確定申告も忘れずに行いましょう。
新居探しと引っ越し
新居探しは6か月前から始めるのがベター
新居は、新生活を開始する6か月前くらいからスタートさせるのが一般的です。まずは、賃貸・購入、親との同居予定、子どものことなど、ふたりでライフプランを話し合い、新居の条件を整理してから探しましょう。何年にもわたって住むなら、住居の設備はもちろん、病院や保育施設、学校が近くにあるかなどの周辺環境もくまなくチェックしましょう。
新居を購入する場合、基本的には10年以上そこに住むことを念頭に置いて検討します。収入や子どものことも考え、返済計画や名義についても最初に話し合っておくことがたいせつです。両親の了解か得られれば、結婚式の準備が忙しくなるため、挙式の1~2か月前に引っ越しをすませていると安心です。
家具・家電は新居決定後に必要最低限だけそろえて
家具や家電は、スペースなどの問題があるので、新居が決まってから購入します。購入の際は、部屋の間取り図とメジャーをもっていくと便利でしょう。また、一気に買いそろえるのではなく、生活していくなかで徐々に買い足していくほうが、失敗がありません。
引っ越した後の近所へのあいさつはその日のうちに
近所へのあいさつは、新居への引っ越し作業が終わったら、その日のうちか翌日にします。賃貸の場合は大家や管理人に、引っ越し前にあいさつに行きます。
向かいと両隣りには必ずあいさつを。マンションなら上下の家にもあいさつします。菓子やタオルなどを持参しましょう。
メモ 近所へのあいさつの表書き
- 水引
赤自の「結び切り」ののし紙 - 表書き
「寿」「御挨拶」 - 金額の目安
1000円程度※タオルや菓子、生活雑貨が無難
メモ 新郎新婦が話し合っておきたいこと
- 夫の転勤や転職の予定があるか
- 共働きの場合、ふたりの収入がどのくらいあるのか、収支の割り振り
- 子どもは何年後に何人ほしいか
- 仕事や家事、お金の管理の分担
最初に時間を取って、じっくりとふたりで話し合うことがたいせつです。
結婚通知状を送る
披露宴後、1か月以内に結婚通知状を送る
結婚の報告(挙式年月日や媒酌人の名前)や今後の支援、新居の連絡先を通知する結婚通知状は、披露宴後1か月以内に送ります。
送る相手は、披露宴や二次会の出席者、会社関係者、友人、親せきなどです。
披露宴の招待状といっしょに頼むこともできますが、結婚式の写真などを使ってパソコンで自作してもかまいません。文面も印刷する場合は、印刷の文章だけですまさずに、自筆で一筆添えるとよいでしょう。
また、特にお世話になった方には、個別に結婚式の写真とともに手紙を送ると、ていねいな印象になります。
なお、披露宴を11~12月ごろに挙げ、年賀状の時期が近づいている場合は、新年のあいさつを兼ねて送ってもよいでしょう。
[結婚通知状の文例] 挙式や披露宴で撮った、ふたりの写真をはがきにあしらうのが一般的。目上の方には、ある程度形式にのっとったはがきを送るとよいでしょう。 |
挙式、披露宴の両家のマナーQ&A
Q 身内に不幸があった場合、結婚式は延期するもの?
A 四十九日の忌が明けた後なら延期しなくてもOK
一般には、四十九日の忌明け後であれば、結婚式をしてもかまわないとされています。忌明け前の場合は式を延期することになりますが、故人が結婚式を楽しみにしていたというようなときには、予定通り行ったほうが故人の遺志にそうとも考えられます。
この場合は列席者に対し、媒酌人か司会者からひと言、事情を説明してもらいます。
相手の家が縁起を気にすることもあるので、両家でしっかりと話し合い、相手側の意向も聞いて、行うかどうか決めるようにしましょう。
Q 会費制パーティーでも引き出物を用意するべき?
A 集まってくれた人への感謝の気持ちとして渡すことが多いようです
会費制パーティーは、新郎新婦の友人などが発起人となって催されるもの。新郎新婦は招待される側になるので、基本的には引き出物は必要ありませんが、実際には何らかの品を用意することが多いようです。
引き出物というより、結婚のお祝いに集まってくれた人たちへの感謝の気持ちと考えて、予算の許す範囲でちょっとした品を用意し、お見送りのときなどに渡すとよいでしょう。
Q 媒酌人を立てずに挙式、披露宴をするときの注意点は?
A 年配の招待客には、媒酌人を立てない旨を伝えておきます
現在は、むしろ媒酌人を立てない挙式、披露宴のほうが主流になりつつあります。
両親は媒酌人がいないことを不安に思うかもしれませんが、特に進行などに支障はないので心配いりません。ただし、年配の招待客のなかには、媒酌人を立てないので正式な結婚式ではないと考える人もいます。
心配なら「媒酌人は立てませんが、正式な式ですので、よろしくお願いいたします」と招待状に添えるか、別に連絡して断りを入れておくとよいでしょう。また、披露宴で司会者に、「媒酌人の代わりに皆さまに立ち会い人となっていただきます」など、ひと言添えてもらうと印象が違います。
冠婚葬祭早引き事典シリーズ
① 教えて 祝儀袋の表書き
② 喜ばれる 中元・歳暮の贈り方
③ バッチリ決める!訪問のマナー
④ 大切なお客様の おもてなし
⑤ おいしくいただくテーブルマナー
⑥ 『手紙の書き方』これで解決!
⑦ これで安心!結婚式に招待されたら!
⑧ 仲人を頼まれたら
⑨ 婚約・結納のしきたり
⑩ 結婚披露宴のプランニング
⑪ 結婚式挙式のプランニング
⑫ 出産から成人まで!わが子のお祝いごと
⑬ 大切にしたい人生の記念日・お祝いごと
⑭ 暮らしの歳時記
⑮ お葬式参列のしきたり
⑯ ご臨終!突然「遺族」になったら
⑰ 仏式のお通夜・お葬式
⑱ 神式・キリスト教式のお葬式
⑲ 終活・生前にしておきたいこと
⑳ お葬式 Q&A よくあるご質問
㉑ お葬式が終わってからのこと
㉒ お墓と納骨のこと
㉓ 四十九日・年忌法要の行い方
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