目次 Contents
両家の親にあいさつをする
結婚する意志があることを両家の親へ報告する
プロポーズをして(または受け入れて)、お互いの結婚の意志を確認し合ったら、婚約となります。結婚はふたりだけのことではなく、家と家とが結びつき、親せきとしての長いお付き合いが始まるということです。正式な婚約発表の前に、きちんとそれぞれの親やきょうだいに結婚することを報告しましょう。
その後、ふたりそろって両家にあいさつにうかがい、気持ちを伝えます。あいさつに行く順番は、男性が先に女性の家を訪問するのが一般的ですが、両家の家の事情を考慮して決めましょう。どちらかの家が結婚に難色を示しているなら、そちらを優先します。
訪問時は、カジュアルすぎる服装は控え、男性はスーツ、女性はややフォーマルなワンピースなどで品よくまとめます。
親は相手を受け入れる気持ちで迎え、見守って
相手の家を訪問し、結婚の意志を伝える。それは大なり小なり、緊張する行為です。初めて訪問するなら、なおさらのこと。緊張と不安とで思ってもみない言動をしてしまい、かえって気が動転することも考えられます。相手を迎え入れる側としては、なるべく寛大な気持ちで自分の子どもが選んだ相手を受け入れ、信頼してあげることがたいせつです。
結納や挙式スタイルなども本人たちの気持ちをできるだけ尊重し、相談されたらアドバイスをする程度に控えて。自身の好みや都合を主張しすぎて、ふたりを振り回さないように気をつけます。いたらない点ばかりをチェックするのではなく、結婚という人生の節目を迎えるふたりをあたたかく見守る。その姿勢を維持するのが親の務めといえます。
メモ 手みやげを必ずもっていく
相手の親の好みを事前に聞いて、手みやげを持参するのがエチケットです。
- 水引
ほどけない「ちょう結び」にします。 - 表書き
何も書きません - 金額の目安
3000~5000円
婚約を公表する
婚約したことを公にする
以前は結婚が決まると、正式に成立させるしきたりとして、日本の伝統的な婚約の形である結納を行うのがならわしでした。両家が親族になることを確認し合い、祝うことで、社会的にも正式に婚約が成立したとされてきたのです。最近は結納に限らず、食事会や婚約式などで周囲に結婚の意志を公表するケースも増えています。
結納を行わないカップルが増えている
年々、結納を行わないカップルが増加傾向にあります。特に都市部では、その傾向が強いようです。結納の代わりに主流となりつつあるのが、両家の顔合わせを兼ねた食事会です。
公表するスタイルは両家で話し合って決めること
婚約記念品の交換をするだけというシンプルなスタイルもありますが、どのようなスタイルで公表するかはふたりだけで決めずに、両家の両親の意見をくんで進めましょう。
若い世代と親世代では、婚約の公表のしかたについての考えも異なることが少なくありません。事後報告ですませるのは避けます。
結納・顔合わせの実施状況アンケート結果
地域によって差はありますが、どの地域も半数以上は両家の顔合わせのみ行っています。 |
メモ 職場の上司に報告する
婚約が成立したら、職場の上司にもなるべく早く伝えるのがマナーです。報告前に同僚たちのうわさ話で上司の耳に入るというのは失礼にあたります。
結婚の準備や環境の変化など、結婚を機に迷惑をかけることにならないとも限りません。「折り入ってお話ししたいことがあるのですが……」と伝え、勤務時間外に少しでも時間をつくってもらうようにしましょう。職場結婚なら、なおさらのこと。その場合は、できればふたりそろって上司に報告すると、よりていねいです。
さまざまな婚約スタイル
[両家の顔合わせの儀式]
- 食事会
レストランや料亭の個室で両家の顔合わせを行うことで、結納の代わりとなる最近ポピュラーなスタイル。仲人を交えての少しあらたまった会食と、本人たちと両家の親やきょうだいを交えた場合とがあります。 - 結納
結納品や結納金を取り交わし(関西では「納める」)、両家が親族になることを確認する日本の伝統的な婚約のスタイル。最近は両家が一堂に会する略式結納が主流で、仲人を立てない場合も多くなっています。
[顔合わせ以外のスタイル]
- 婚約パーティー
欧米の習慣を取り入れたもの。レストランやホテル、自宅などに友人を招いて婚約を発表。本人たちでなく、友人が主催する例も。 - 婚約記念品の交換
結婚を決めた記念に、お互いに記念品を交換するスタイル。男性からは婚約指輪、女性からは腕時計やスーツなどが主流です。 - 婚約式
もとはクリスチャンの儀式。婚約を神の前で誓い、両親や家族、仲人がその証人になります。ふたりともクリスチャンでなくてもOK。 - 婚約通知状
結納や食事会、パーティーなどは行わず、はがきやカードを送ることで婚約を公表します。この通知状は婚約の正式な証明に。
メモ ホテルや結婚式場のプランを活用する
形式を重んじて両家の顔合わせをしたいが、準備をする時間がない。そんな場合に便利なのが、ホテルや結婚式場で用意しているプランです。結納プランや婚約式プランなどがあり、スタッフや介添え人が準備や進行をサポートしてくれます。
婚約記念品を準備、交換する
結納品の代わりに婚約記念品を交換する
あらたまった結納品を取り交わすのではなく、本人たちが結婚記念品を交換することで、婚約成立とみなすスタイルが増えてきていま
す。
この場合、食事会や婚約パーティーを開いて行われるのが一般的ですが、シンプルに記念品を交換するだけというスタイルもあります。ただし、ふたりだけで行わず、第三者に立ち会ってもらうことが原則。親しい友人の前で行うものから、両家そろって略式結納のような形式を取るものまで、スタイルはさまざまです。
アットホームな雰囲気を優先するか、形式を重んじてあらたまったものにするか、ふたりの好みや考えだけでなく、両家の意見も取り入れて決めていきましょう。
男性からは指輪を、女性は時計やスーツを贈る
婚約記念品として、男性のほとんどが婚約指輪を選びます。プラチナ台のダイヤモンドの指輪が定番といえますが、最近はエメラルドやサファイアなどの誕生石の指輪を贈るケースも増えています。
一方、女性からの男性への記念品は、腕時計やスーツなど身につけるものが一般的です。好みやサイズもあるので、お互いのリクエス
トを聞いて、心から喜んでもらえるものを選ぶようにしましょう。
記念品の金額の目安は、指輪はかつて給料の3か月分といわれていました。しかし、実際には30万円~40万円の指輪を贈る人が多いようです。お互いに無理のない範囲で贈りましょう。また、最近は記念品自体を省略するケースも珍しくなくなっています。
メモ 指輪は1か月前には注文しよう
婚約指輪(エンゲージリング)には、フルオーダー、セミオーダー、レディメイド(既製品)があります。各店によって価格も制作日数も異なりますが、フルオーダーなら半年以上、セミオーダーなら6~4か月前、レディメイドでも指輪が必要な日の1か月前には注文するように。
指輪は来店したらその場ですぐ購入できるものではなく、サイズ直しや取り寄せ、刻印などの手間がかかるのが通常です。余裕をもってつくるようにしましょう。
食事会の当日
結納に代わる最近の定番スタイル
結納の代わりに両家の紹介を兼ねて、料亭やレストランの個室などで食事会を開くことが最近の傾向です。当人たちと両家の親やきょうだいだけの場合が多いですが、仲人を立てる場合は、仲人も同席してもらいます。
結納と違って決まった形式がないだけに、本人だちからそれぞれの家にきちんと説明し、事前に了承を得てから段取りを組みましょう。
特に習慣を重んじる家がらや地域では、食事会とは別に結納もする、と誤解されないように注意します。
日にちやお店選びなどは本人たちがセッティングしますが、両家の要望をすり合わせてから。交通の便がよく、足腰の悪い人がいるなら和室ではなく洋室のテーブル席で行うなど、メニュー以外の配慮も忘れずに。
[食事会の流れ]
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メモ 支払いは両家で折半するのが基本
食事会にかかった費用は、原則的に両家で折半します。ただし、日ごろお世話になっている両親やきょうだいを招待するという意味合いで、本人たちが支払うヶ-スも増えています。
また、一方が遠方のため交通費や宿泊費などの大きな負担が生じた場合は、食事会の費用を相手側がもつというケースもあります。
結納のスタイル
最近では略式で行う結納が一般的
結納を行う件数は地域差はあるものの、全体的に見ると年々減少傾向にあります。実施したとしても従来の両家を仲人が行き来するという正式結納ではなく、両家が女性宅や料亭、ホテルなどの1か所に集い、執り行う略式が主流となっています。仲人夫妻が仲介役となって結納品や受書を両家間でやりとりしますが、この仲人も立てないケースも多く、その場合は、代わりに男性側の父親が進行役をするというスタイルになります。
形式は垂んじるが、仲人を立てたり、父親に代役をお願いするのも心苦しいという場合は、ホテルや結婚式場のスタッフが介添え人として進行役を務めるというプランを利用するのも手です。まずは、正式結納にするか略式結納にするかを両家で話し合いましょう。
両家の慣習が違うなら格式を重んじる側に合わせる
しきたりやならわしなどは、地域や家がらによってもさまざまです。どうしても両家の考えが異なる場合は、より格式を重んじる側に合わせて執り行いましょう。
[結納スタイルをチェック]
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注意しよう! NG 儀式中は私語を慎む
正式、略式にかかわらず、結納を取り交わしている間は、口上とあいさつ以外の私語を慎むのがマナーです。仲人の出迎え、見送りも会釈程度に。これは結納の進行に集中している仲人に対する気づかいでもあります。
メモ 結納の費用の目安
結納金の額には地域差があり、一概にいえませんが、全国平均90万円台。これに婚約指輪代や仲人へのお礼やお車代、正式結納なら結納後に仲人夫婦を交えて祝い膳を囲む費用が必要です。
関東式と関西式の結納
結納の形式や行いかたは地域により異なる
結納の方法や形式は、地域差がありますが、大きくは「関東式」と「関西式」に分けることができます。関東の習慣では男女それぞれが同品目の結納品を贈口合うことから、「結納を交わす」といういいかたをします。
男性が用意する結納品には結納金(御帯料・おんおびりょう)がありますが、女性はそれに対して半額程度の現金または品物を「結納返し」(御袴料・おんはかまりょう)として贈ります。これらは仲人夫婦を介して両家で贈り合い、仲人夫婦は両家を一往復半します。
一方、関西では、一般に男性側だけが結納品を贈るので、「結納を納める」といいます。結納返しの習慣はあまりありませんが、結納後に男性側家族へかなりの額のおみやげを持っていく場合も。また、最近では結納金の1割程度や記念品を贈ることもあるようです。
[正式結納で見る関東式と関西式] ”納める”関西式
”交わず”関東式
関西式は、男性宅から女性宅へ結納品を届け、女性宅から受書を受け取って男性宅へ届けるので両家を一往復するだけですみます。一方、関東式は、女性側からも結納品を贈るため、両家を一往復半することになります。 |
メモ そのほかの地域の特徴
同じ関西でも、京都では結納前に「見合い扇子」という儀式があり、男性側は金銀蒔絵扇子を、女性側は金銀または白扇を贈ります。中部地方でも結納の前に男性側がお酒と肴を持参して女性宅を訪ねて「きめ酒」をするしきたりがある地域もあります。
ほかにも、結納品のほかに家族や先祖への「おみやげ」も添えられたり、結納品が13品目もあったりと、さまざまな地域の特色があります。相手側の家がらだけでなく、地域性も考慮して執り行いましょう。
結納の場所、日取り、費用を決める
正式結納は自宅、略式は料亭費用は折半が基本
昔と変わらず結納の実施率が高い地域はあるものの、そのスタイルは年々簡略化が進んでいます。正式な結納は仲人が使者となって、双方の自宅を往復しますが、最近では仲人を立てないことも多く、結納も両家が一堂に会して執り行う略式の結納が主流です。
結納を行う場所は女性の自宅が多いようですが、最近はホテルや料亭を利用するケースが増えてきています。
結納品や結納金などは男女それぞれの側で用意しますが、結納の会場費およびその後の宴席にかかった費用は、仲人の分も含めて双方で折半します。費用は結納を行う場所や規模によって異なりますが、結納と宴席でかかる費用の総額は10万~15万円程度が相場です。仲人へのお礼や交通費なども両家で折半するのが基本で、結納金の約1割といわれています。しかし、地域によって大きく異なるので、両家でよく話し合い、納得できる方法をとりましょう。
●結納を行った場所は?
「結婚トレント調査2010」結婚情報誌ゼクシイ(リクルート)調べ(夫の家2.6%、その他1.3%、無回答1.0%)女性の自宅で行うケースが約4割を占めるが、ホテルを利用する人も年々増えている。 |
●結納と宴席でかかった費用は?
「結婚トレント調査2010」結婚情報誌ゼクシイ(リクルート)調べ(その他5.5%)結納と祝宴を含めた会場費の合計金額は、5万円以上10万円未満がトップで、平均金額は11.4万円。 |
メモ 会場費以外にかかる費用の目安
関東式の結納なら、女性側から「結納返し」として結納金の半額を、関西式では結納返しはありませんが、結納金の1割を返すことも。これに婚約指輪などの婚約記念品の交換をする場合は、その費用もかかります。
また、仲人を立てるなら、仲人へのお礼として結納金の1割と、お礼とは別に交通費(お車代)、祝宴に参加されない場合はさらに「御酒肴(しゅこう)料」を加えた費用が必要です。
結納品を準備する
結納品は縁起物として祝いことばがつく
結納品は、両家が婚姻関係を結ぶ祝宴を設けた際に出された酒肴がルーツだといわれています。今では、結納金と縁起をかついた品目に目録を添えたもの一式のことを指します。
それぞれにおめでたい祝いことばがつけられているのが特徴ですが、結納品は地域差が大きく、名称や飾りかた、品数などに違いがあります。関東では9品目が正式とされていますが、7品目や5品目に減らし、略式とすることもあります。
結納品はデパートや結納品店などのほか、最近ではインターネットでも購入可能です。価格の相場は、関東式の9品目で3万~5万円、関西式の9品目で5万~10万円程度です。
そのほか、全品をひとっの台にのせる1万円程度のコンパクトなタイプもあります。
[結納品の名称と意味一関東式]
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結納金と仲人へのお礼
結納金の全国平均は90万円台
結納金(御帯料・おんおびりょう)は、男性側から女性側へ結婚のしたく金として贈られるもの。金額は一般に月収の2~3倍といわれ、全国平均では91万3000円(結婚トレント調査2010)。これに婚約指輪代が加わることもあるので、結納に際して男性側か用意する金額は120万円前後となるようです。しかし、最近は結納金を贈ること自体が減りつつあります。贈る場合は無理のない額にしましょう。
結納返しは結納金の半額が目安
関東式の結納では、女性側から「結納返し(御袴料・おんはかまりょう)」をする習慣があります。結納金の約半額を現金や品物で渡す「半返し」が一般的で、現金の場合は20万~30万円程度が多いようです。最近は現金ではなく、スーツや腕時計など、記念のものを贈るのが主流に。
関西式では一般に結納返しをしませんが、結納金の1割程度を返すこともあります。
仲人へのお礼は結納金の1割程度
仲人へのお礼は、結納の形式や挙式までお願いするかどうかによって異なりますが、一般的には結納金の1割程度です。媒酌人として結婚式までお世話になる場合は、挙式後にお礼を渡してもかまいません。
●結納金の金額 1位 100万~150万円未満 64.4% 2位 50万~100万円未満 25.4% 3位 50万円未満 4.8% 4位 200万円以上 3.9% 5位 150万~200万円未満 1.5% 「結婚トレンド調査2010」結婚情報誌ゼクシィ(リクルート)調べ 全国平均は91.3万円。地域差も見られ、首都圏の平均86.4万円に対し、富山・石川・福井、関西、四国は平均が100万円を上回ります。 |
メモ 仲人へのお礼のしかた
- 水引
結び切りの水引の祝儀袋を用意。 - 表書き
「寿」または「御礼」と表書きし、両家連名か新郎新婦の姓名で結納後、祝宴の前に手渡します。 - 金額の目安
結納金の1割程度。それとは別に交通費として「お車代」を実費程度(1万~3万円)、菓子折などとともに渡します。仲人が祝宴に出席しない場合は、飲食代として「御酒肴料」(1万~3万円)を渡すとよいでしょう。
結納に必要な書類
目録は結納の納品書、受書は領収書
結納品の受け渡しには「目録」と「受書」が必要です。目録は結納品のひとつで、結納品の品目と数を記したもの。指輪などの記念品を贈るときも目録に記します。目録は、どんな品物を贈ったかという「納品書」にあたります。
一方の受書は、「目録通りの品物を確かに受け取りました」というしるしに相手に渡すもの。目録と同様に、結納品の品目と数を記し
ます。受書はいわば「領収書」のようなものです。
関東では男女ともに関西は女性が受書を用意
関東式では男女が結納品を贈り合うので、それぞれが相手に渡す結納品の目録と、受書を用意しなければなりません。一方、関西式では男性側だけが結納品を贈るので、男性側か目録を、女性側か受書を準備します。以前は目録、受書ともに自筆でしたためましたが、現在は結納品に付属しているものを使うことが多いようです。
奉書紙(ほうしょがみ)に毛筆で書くのが正式
「家族書」「親族書」とともに、奉書紙(ほうしょがみ)に墨と毛筆で書くのが正式です。
しかし、略式で白い便せんにペン書きにして、「目録」「受書」そして「家族書、親族書」と表書きをした白無地の封筒に入れてもよいでしょう。その場合は、相手の家に失礼にならないように、「ペン書きで失礼しますが」とあらかじめ確認を取っておきます。
気をつけよう! NG パソコンを使って印刷しない
ワープロやパソコンを使って記入するのは、事務的でよそよそしい印象を与えてしまいます。よほどの事情がない限り、避けるようにしましょう。
メモ 結納で使うお盆は「片木盆(へきぼん)」が定番に
結納金や目録、受書などを取り交わす際にのせる正式なお盆のことを「広蓋(ひろぶた)」といいます。かつては家紋入りのものを用いるのがならわレでした。広蓋よりも少し小ぶりの「切手盆」を使うこともありますが、特に関東では、手に入りにくいこともあり、最近は、足のない白木の献上台の「片木盆」を使うこともあります。
結納に必要な書類-目録、受書の書きかた
[目録、請書の書き方例]
関東式
- 目録
長爽斗(ながのし)、御帯料(おんおびりょう)壱封、勝男節(かつおぶし)壱台、寿留女(するめ)壱台、子生婦(こんぶ)壱台、友白髪(ともしらが)壱台、末廣(すえひろ)壱対、家内喜多留(やなぎだる)壱荷と、品目と品数を書く。 - 受書
目録と同じ品目を順番に記す。差し出し人と受け取り人は、目録と同じく男性本人、女性本人の名前で、目録とは名前を逆にすること。
関西式
- 目録
「茂久録」とすることが多<、1行目から熨斗(のし)壱連、寿栄廣(すえひろ)壱対、小袖料(こそでりょう)壱封、結美和(ゆびわ)壱個、高砂(たかさご)壱対、柳樽料(やなぎだる)壱封、松魚(まつうお)料 壱封と書く。これに寿留女(するめ)、子生婦(こんぶ)など、何を加えるかは家庭や地域により異なってくる。 - 受書
「受書」とせず、「御受(おうけ)」と書くことが多い。目録と同じ品目を順に記すのは関東式と同様。目録では、差し出し人は男性の父親の名前、受け取り人は女性の父親の名前を書くが、受書ではその逆で、差し出し人が女性の父親、受け取り人が男性の父親となる。
※注1 「右幾久敷御目出度御寿納賜度候也」と書き、「右のとおり幾久しくおめでたくお受けください」の意。
※注2 「右幾久敷御目出度御受納仕り候也」と書き、「右のとおり幾久しくお受けしました」の意。
メモ 受書の上包み
関東式、関西式では受書を包む上包みも異なります。
- 関東式
上包みに包んで「受書」と表書きし、片木盆にのせて、ふくさをかけます。 - 関西式
上包みに「御受書」と記して切手盆(正式には片木盆にの上に受書をのせ、それを広蓋にのせる)の中央にのせ、右に「焚斗」を、左に「寿栄廣(すえひろ)」を置きます。
結納に必要な書類―家族書、親族書
双方の家族を紹介する「家族書」「親族書」
「家族書」と「親族書」は、本来は結婚に対する親族一同の賛意を表すためのものでした。しかし、現在では双方の家族、親族を紹介す
るという意味合いが強くなっています。
家族書は年長者から順に並べるのが基本的な書式ですが、本人の名前を最後に書く場合や、妹や弟より先に記す場合などがあります。
親族書は、住所と本人から見た続がら、姓名を記します。両親との関係もわかるように、「おじ(父の兄)」など、カッコつきで説明を
加えるとよりていねい。親族が少ない場合は、家族の後に書き添えて「家族親族書」としてもかまいません。親族書を省略するケースも
増えていますが、後々の付き合いをスムーズにするためにも、結納や両家の顔合わせの際に交わしておいたほうがよいでしょう。
[家族書、親族書の書きかた例] |
メモ 家族書、親族書の表書き
家族書、親族書は併記します。専用の用紙も市販されているので、それを用いると便利。後々の交流のために省略しないほうがベター。
結納での装い
服装の格がそろうように事前に打ち合わせをする
正式な結納を行う場合の服装は、正装となります。しかし、略式結納の場合は準礼装や略礼装で行うことが多くなっています。女性本人は和装では振りそでが一般的ですが、男性本人は和装をすることは少なく、ブラックスーツが定番のようです。
本人たちがカジュアルな服装で両親が正装など、ちぐはぐな装いにならないようにしましょう。
メモ 兄弟姉妹の服装
本人たちの格に準じて、目立たない服装を選びます。兄弟はダークスーツや落ち着いた雰囲気の、じみめのスーツなど。姉妹は肌をあまり露出しない、上品なワンピースやスーツなどがおすすめです。
結納当日に準備すること
家で行う場合は部屋の上座に結納品を
自宅で結納を取り交わす場合は、床の間のある和室で行うのがならわしです。床の間に縁起のよい掛け軸をかけ、華やかな花を活け、結納品を白本台にのせて飾ります。婚約指輪などの婚約記念品は、結納品とは別の白木台に、受書や家族書、親族書は白木台ではなく片木盆にのせます(関西式では片木盆にのせ、それを広蓋に置くのが正式)。
お茶は出さずに桜湯干菓子も用意する
結納のときには緑茶は出しません。「お茶をにごす」とりこ忌味合いを避けるため、あえて用いないのです。代わりに桜湯や、「よろこぶ」とかけたこぶ茶を入れます。これに干菓子を添えると、よりていねいなおもてなしになります。
正式結納の場合は、仲人が利用する車の運転手にも桜湯をふるまい、ご祝儀を渡すのがマナーです。
祝い膳ではなくお祝い金ですます場合も
結納が滞りなくすんだら、赤飯や鯛の姿焼き、はまぐりの吸い物などを用意して祝い膳を囲みますが、最近は祝い膳を囲まず、「御酒肴料」として「家内喜多留」に現金を入れ、お祝い金ですますというケースも見られます。
桜湯塩漬けにした桜の花にお湯を注いだ、婚礼の席で出される飲み物。口をつけるのが礼儀ですが、桜の花は食べません。 |
気をつけよう! NG 桜湯は必ず口をつける
遠慮したり、飲まず嫌いなどで、桜湯やこぶ茶を飲まないのは失礼にあたります。おめでたい飲み物なので、出されたら必ず口をつけるようにします。
メモ 洋室で結納を行う場合
最近は和室のない家庭も増え、洋室で結納を取り交わすケースも珍しくなくなってきました。この場合は、床の間のない和室同様に、洋室の上座に結納品を飾ります。小さなテーブルを用いるのが一般的ですが、なければローチェストやサイドボードの上に(あればもうせんを敷いて)飾りましょう。
正式結納の進めかた
仲人が結納品を持って両家を行き来する
関東式の正式結納では、仲人夫婦が男性宅と女性宅を行き来して、結納品や受書のやりとりをします。結納は儀式ですから、この間はあいさつと口上以外の言葉を発しないのがならわし。立つのは結納品を運ぶときだけで、口上は座ったまま述べます。
[正式結納の席次]
床の間に近いほうから本人、父親、母親の順に座り、その向かい側に床の間に近いほうから仲人、仲人夫人が座ります。 |
[正式結納の流れ一関東式]
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略式結納の進めかた―関東式・仲人を立てる
[結納の流れ] 男女本人と両親、仲人がーか所に集まって結納を執り行う形です。結納品や受書などのやりとりは仲人が間に立って行います。 |
- 着席
結納品と受書を床の間に飾り、男性側か床の間に向かって右、女性側かこれに向かい合って着席します。あらたまった形の場合は両家が着席してから仲人が入場します。 - 始めのあいさつ
男性の父親が「本日はお忙しいところお運びくださいまして、まことにありがとうございます。小野様(仲人の名前)ご夫妻にはたいへんお世話になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます」とあいさつして、一同深く礼をします。 - 仲人のあいさつ
仲人が「本日はお日がらもよく、まことにおめでとうございます。略式ながらこの席にて、ご結納のお取り次ぎをさせていただきます。では、さっそくではございますが、佐賀様(男性側)のご結納の品を預からせていただきます」と口上を述べ、一同深く礼をします。 - 男性側が仲人に結納品を託す
男性の母親が、結納品を仲人の前に運びます。男性の父親が「これは佐賀より鍋島様(女性側)への結納でございます。先様へ幾久しくお願いいたします」、仲人が「かしこまりました。確かにお預かりいたしまして、お世話させていただきます」と述べ、礼をします。 - 仲人が結納品を女性側に渡す
仲人(妻)が結納品を女性本人の前に運び、女性本人の方を向くように置きます。仲人が「これは佐賀様より鍋島様へのご結納でございます。幾久しくお納めくださいませ」と向上を述べ、深く礼をします。仲人の向上を受けて、女性側は軽く礼をします。 - 女性側が目録に目を通す
女性本人、父親、母親の順に目録に目を通します。女性本人が目録を包み直した後、女性の父親が「まことにありがとうございます。幾久しくめでたく納めさせていただきます」と述べ、女性本人が「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」と述べます。 - 男性側からの結納品を床の間に飾る
女性の母親が、女性本人の前にある結納品を床の間に飾ります。このとき女性は母親が前に来たら母親のほうに結納品の向きを変え
ます。女性側からの結納品が飾ってあるので、それをいったん床の間から下ろし、その空いた場所に男性側から贈られた結納品を飾ります。 - 女性側が仲人に受書、結納品を託す
女性の母親は受書を仲人の前に運び、続いて女性側からの結納品を台ごと仲人の前に運び、軽く礼をして席に戻ります。女性の父親が「これは鍋島からの受書でございます。また同様に鍋島からの結納でございます。先様によろしくお取り次ぎください」と述べ、仲人が「確かにお預かりいたしました」と述べます。 - 仲人が受書を男性側に渡す
仲人(妻)が受書を男性本人の前に運び、席に戻ります。仲人が「それは鍋島様からの受書でございます。幾久しくめでたくお受けください」と述べます。男性本人は受書に目を通して、「ありがとうございました」とお礼を述べます。 - 仲人が女性側からの結納品を男性側に渡す
仲人(妻)が女性側からの結納品を男性本人の前に運びます。仲人が「これは鍋島様より佐賀様へのご結納でございます。幾久しくめでたくお納めくださいませ」と述べて深く礼をし、男性側は軽く礼をします。 - 男性側が目録に目を通す
男性本人、父親、母親の順に目録に目を通し、父親が「ありがとうございます。幾久しくめでたく納めさせていただきます」、男性本人が「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」と述べ、男性側と仲人が深く礼をします。 - 女性側からの結納品を床の間に飾る
男性の母親が贈られた結納品を床の間に飾り、男性側の受書を仲人の前に運びます。 - 男性側からの受書を仲人に託す
男性の父親と仲人が受書についての口上を交わし、深く礼をします。 - 仲人が受書を女性側に渡す
仲人(妻)が受書を女性側に運びます。仲人と女性の父親が⑨と同様の口上を交わし、女性本人が目を通して「ありがとうございます」とお礼を述べます。 - 結びのあいさつ
仲人が締めくくりのあいさつを述べます。「これにてご両家におかれましては、めでたくご結納を幾久しくお納めいただきました。皆さま、まことにおめでとうございます。これをもちまして結納の儀をお開きにいたします」と述べます。
男性の父親が「本日はたいへんお世話になり、ありがとうございました。今後とも若いふたり、ならびに私ども両家を末永くよろしくお願いいたします」と述べます。男性本人、女性本人の順に「本日はたいへんお世話になりました。心よりお礼申し上げます」と述べ、一同深く礼をします。
[席次] 床の間に近いほうから本人、本人の父親、母親の順に座ります。仲人は上座に座ります。 |
[目録の扱いかた]
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簡略式結納の進めかた―関東式・仲人を立てない
- 始めのあいさつ
男性の父親が「このたびは花子様と、私どもの直樹によいご縁をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。本日はお日がらもよろしいので、結納の儀をさせていただきます。なお、前もってのお話どおり、略式にて納めさせていただきます」とあいさつし、一同礼をします。 - 男性側が女性側に結納品を託す
男性の母親が結納品を女性側に運びます。男性の父親が「これは佐賀(男性側の姓か名前)からの結納でございます。幾久しくお納
めください」と述べます。 - 女性側が目録に目を通す
男性の父親の口上を受けて、女性側は礼をします。女性本人、父親、母親の順に目録に目を通し、女性本人に戻します。女性本人が目録を包み直して台に戻した後、「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」とあいさつをします。 - 女性側か男性側に受書を渡す
女性の母親が結納品を上座に飾り、受書を男性側に運びます。女性の父親が「それは鍋島(女性の姓、または名前)からの受書でございます。幾久しくお納めください」と述べ、一同深く礼をします。男性本人が「恐れ入ります」と述べます。 - 女性側か男性側に結納品を渡す
女性の母親が、結納品を男性側に運びます。女性の父親が「これは鍋島からの結納でございます。幾久しくお納めください」と述べま
す。 - 男性側がに目録に目を通す
男性本人、父親、母親の順に目録に目を通し、男性本人は目録を包み直して台にのせ、あいさつをします。 - 男性側か受書を渡す
男性の母親が結納品を上座に飾り、受書を女性側に運びます。男性の父親が口上を述べ、女性本人があいさつをします(④を参照) - 結びのあいさつ
男性の父親が「本日はどうもありがとうございました。おかげさまで略式ではございますが、無事結納をお納めすることができました。今後とも幾久しくよろしくお願いいたします」とあいさつをし、次いで女性の父親が「こちらこそいろいろとお世話になりました。今後ともよろしくお願い申し上げます」と返礼のあいさつをします。一同深く礼をし、結納は終了します。
[席次] 男性側と女性側が図のように向かい合って着席します。 |
婚約式・婚約パーティーを開く
家族や友人の立ち会いのもと婚約を誓う人前婚約式
婚約式はもともとキリスト教徒が神の前で婚約を誓う儀式です。キリスト教圏では一般的で、カトリック、プロテスタント、それぞれの信仰に基づいて神父や牧師による説教や祈祷、本人たちの誓いのことば、契約書のサインなどが行われます。
どちらかが信者であれば、通っている教会で執り行われますが、どちらも信者でないなら、キリスト教式をもとにした人前婚約式を行うケースもあります。この場合、列席する家族や友人が、ふたりの婚約の証人となります。決まった宗教もスタイルもないので、本人たちで自由に内容をアレンジできることで人気のある婚約スタイルです。
ただし、誓いのことばや、婚約誓約書、記念品交換など、儀式的な要素は入れましょう。
親しい友人を招き、ふたりの婚約を発表する
婚約パーティーは、ホテルやレストランで行われるのが一般的ですが、親しい友人だけを自宅に招いたホームパーティーでもかまいません。パーティーは、本人たちが開くほか、友人が主催して祝うケースもあります。
招待客は、それぞれの友人や会社の同僚が中心となります。ふたりの連名で招待状を出しましょう。
パーティー費用は本人たちが負担するか、会費制。会費制の場合、会場や人数によりますが、5000円~1万円が目安。形式にとらわれず個性的に演出を。
メモ 婚約誓約書の文例
私たちは本日、婚約いたしました。お互いを助け合い、信頼し合い、よりいっそうこの愛をたいせつに育んでいくことを、ここに誓います。
二〇●●年○月○日
(男性の名前)
(女性の名前)
(立会人の名前)
婚約を周囲に知らせる
周囲への報告はまず直属の上司から
無事に婚約をすませたら、周囲の人へのあいさつと報告をしましょう。この際に注意したいのが報告する順番と報告もれ。後の人間関係にも影響するので慎重に行います。
勤務先には挙式の3か月前までに、直属の上司から伝えます。その後、職場の先輩や同僚、知人の順に。派遣社員なら、勤務先より
先に雇用主の派遣会社に報告します。
婚約から挙式まで1年以上あくなら通知状で報告を
婚約から挙式までの問が1年以上ある場合は、友人や親せきなど親しい間がらの人たちに婚約通知状で知らせる方法もあります。形式は自由ですが、恩師や目上の方にはあらたまった形式の文面で送りましょう。
『恩師や親せきあての婚約通知状の例] 年上の方への通知状は、友人向けのカジュアルな通知状とは分けて、あらたまったものにすること。頭語、時候のあいさつ、婚約の報告、婚約時期、挙式の予定、今後の支援のお願い、結語、日付、ふたりの名前など、形式に沿って記します。印刷された文面ではなく手書きにすると、よりていねいな印象になるでしょう。 拝啓 新緑の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
メモ 親しい友人あての通知状
文面やデザインがカジュアルな雰囲気でもOKです。婚約相手に会ったことのない友人あてには、ツーショット写真やイラストを添えるのも方法です。
また、通知状よりていねいなのが直接会って伝えること。それが無理なら通知状、次に電話、メールの順で対応します。
メールを送る場合は、一斉送信ではなく、ひとりずつに送るのがマナーです。報告もれの友人がないように、くれぐれも注意しましょう。
婚約中の相手家族との付き合いかた
節度ある態度で相手家族と交流する
ふたりの婚約が公となり、ひと安心する間もなく、結婚式に向けて忙しい日々が続きます。ふたりで決めることも多いですが、両親の意見を聞いたり、時には話し合いの場を設けるようにします。相手の家族とも積極的にコミュニケーションを取るように気を配り、挙式、そして結婚後の関係性をよりよいものにするように努めましょう。
親どうしも適度な距離を保つ
婚約したら親しい知人や親せきと同様と考え、冠婚葬祭やお中元、お歳暮などのやりとりをして、ほどよい距離を保つように心がけましょう。その際、相手の家の習慣に合わせるように。譲り合う心で接します。
婚約解消を考えたらひとりで考え込まない
婚約後に、相手や相手の家の受け入れがたい一面を目のあたりにしたり、仲直りができないほどの激しいけんかをしたりして、結婚することに迷いが生じることもあります。
そのときはひとりで考え込まず、ふたりが冷静になったころあいに、きちんと話し合いましょう。それが難しいようなら第三者を交えるなど、落ち着いて話せる場を設けます。
親はもし子どもから婚約解消の相談があったら、親の立場で、感情的にならずに冷静に聞き手に徹します。子どもの一時的な感情によるものなのか、この先も続く深刻な状況なのか、子どもの話やようすを見て最善策を考えましょう。万がべ婚約解消となったら式場のキャンセルや費用の精算、報告した周囲へのおわびなど、速やかに対処します。
気をつけよう! NG 外泊や、ほかの異性とふたりきりは避ける
婚約後の異性とのふたりきりの外食や、男女交えたグループでの外泊など、親や相手に誤解を与えるような行動は慎みましょう。いくら身の潔白を主張しても疑われたら、お互いに嫌な気分になってしまいます。節度ある行動が相手を思いやることにつながります。
メモ 相手の母親とは話す機会を多く
女性は挙式や披露宴などの相談を、相手の母親にもちかけるのも一考です。相談ごとを重ねるうちに、お互いに打ちとけ合える仲になるかもしれません。こまめに連絡を取るようにします。
結納のしきたりQ&A
Q 仲人宅で結納を行ったときのお礼は?
A 飲食費を両家で折半して、後日お礼をします
仲人宅で結納を行い、その後の祝宴も仲人宅で行った場合は、仲人が負担したと思われる飲食費より多めの額を両家で折半します。料理の費用は請求してもらい、実費を払っでもよいでしょう。また、飲食費以外に結納のお礼として、結納金の1割程度を贈ります。
Q 結納品はいつまで飾るもの?
A 挙式までは床の間などに飾り、その後は神社などに奉納します
結納品は、もうせんという布を敷いて床の間に飾るのが慣例ですが、床の間がない場合は、部屋の上座にサイドテーブルなどを用意して飾ります。挙式まで間がある場合は、2~3週間ほど飾り、その後、挙式の約1か月前から再び飾ってもかまいません。挙式後、食品は食べてもかまいませんが、そのほかは記念に取っておくか、神社に奉納しましょう。
Q 結納の後の食事はどんなものがよい?
A 鯛の姿焼きなどが並ぶ、祝い膳が正式です
鯛の姿焼き、赤飯、お造り、はまぐりのうしお汁、お酒などが並びます。自宅で祝宴を開く場合は、仕出店に結納の祝い膳と伝えれば、形式に準じた料理をつくってくれるでしょう。ホテルや結婚式場、料亭などでは、正式な祝い膳のほかに洋食のコース料理など、選択肢が幅広いのが特徴です。
Q 男性が養子になる場合の結納は?
A 男女を入れかえて行います
結納のやりとりが男女逆になりますが、形式は変わりません。ただし、結納金は「御帯料」が「御袴料」、結納品の「子生婦」は「幸運夫」、「寿留女」は「寿留芽」となります。紙の色も、女性側から男性側に渡す結納品は、紙の色が赤ではなく青や緑にします。
婿養子の場合、女性側から男性側に渡す結納品は、紙の色を赤ではなく青や緑にしましょう。
冠婚葬祭早引き事典シリーズ
① 教えて 祝儀袋の表書き
② 喜ばれる 中元・歳暮の贈り方
③ バッチリ決める!訪問のマナー
④ 大切なお客様の おもてなし
⑤ おいしくいただくテーブルマナー
⑥ 『手紙の書き方』これで解決!
⑦ これで安心!結婚式に招待されたら!
⑧ 仲人を頼まれたら
⑨ 婚約・結納のしきたり
⑩ 結婚披露宴のプランニング
⑪ 結婚式挙式のプランニング
⑫ 出産から成人まで!わが子のお祝いごと
⑬ 大切にしたい人生の記念日・お祝いごと
⑭ 暮らしの歳時記
⑮ お葬式参列のしきたり
⑯ ご臨終!突然「遺族」になったら
⑰ 仏式のお通夜・お葬式
⑱ 神式・キリスト教式のお葬式
⑲ 終活・生前にしておきたいこと
⑳ お葬式 Q&A よくあるご質問
㉑ お葬式が終わってからのこと
㉒ お墓と納骨のこと
㉓ 四十九日・年忌法要の行い方
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