目次 Contents
1月 睦月(むつき)
1月の行事カレンダー
- 1日……………………元日
- 2日……事始め、書き初め
- 5日ごろ………………小寒
- 7日……………………七草
- 10日前後………………初釜
- 11日…………………鏡開き
- 15日…………………小正月
- 第2月曜日………成人の日
- 20日…………………女正月
- 20日ごろ………………大寒
元日【1月1日】
元日は新年の始まりの日で、どの家にもその年の年神さまが降りてくるとされていました。年神さまとは、新しい年の豊作や幸福をもたらす神さまといわれる神さまのこと。正月は、その年神さまを迎える儀式です。清々しく新しい年を始めるためにも、家族そろって年賀のあいさつを交わし、一年の健康と幸運を祈りましょう。
正月の祝い膳はおとそ、おせち料理、お雑煮の順に、いただくのが正式な作法。年神さまを迎える元日は、家にこもって家族全員でゆっくりと過ごすのがならわしです。
食後は初もうでに出かけたり、年賀状に目を通したりして過ごしましょう。年始回りや仕事、書き初めなどの事始めは、2日以降に行うのがよいとされています。1月1日から3日までを「三が日」といいます。
[お正月の遊び]
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初夢【1月1日~2日】
その年に初めて見る、元日の夜の夢示初夢です。「初夢の内容で一年の運勢が変わる」といういい伝えがあり、縁起のよい夢として、一富士、二鷹、三茄子が挙げられます。富士は「無事」、鷹は「志高く」、茄子は「ことを成す」の語呂が由来という説があります。2日の夜の夢を初夢ということもあります。
書き初め【1月2日】
年が明けて初めて書く書のこと。1月2日に行うのがならわしで、この日に書くと、「書道が上達する」といういい伝えもあります。江戸時代に行われていた習慣で、元日の朝に初めて汲んで神棚に供えておいた水で墨をすり、縁起のよい方角に向かってめでたい詩歌を書いていたことが始まりとされます。
初もうで【1月1日~7日】
新年の始めに、寺や神社にお参りをし、その年の無事を祈るのが初もうでです。もともとは「恵方参り」といって、陰陽道によるその年のもっとも縁起のよい方角(恵方)の神社に、元日にお参りをするしきたりでしたが、最近では方角や日にちには、こだわらなくなりました。
前の年の破魔矢やお札、だるまなどがあれば持参し、お札納め所に納めます。新しいものをいただいたら、神棚などに飾りましょう。
松の内
元旦(元日の朝)に年神さまを迎え、年神さまがいる間の時期を松の内といいます。関東では一般的に1月1日~7日とされていますが、何日までを松の内というかは、地方によってさまざまです。もともと半月間であったのを、江戸幕府が短期命令を出したことから、このようになりました。
年始回りや、「あけましておめでとうございます」とあいさつをするのも、松の内までです。
[神社のお参りの仕方]
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寒中見舞い【1月8日ごろ~2月4日ごろ】
本来は、相手の健康を気づかう便りですが、年賀状を出しそびれた人や喪中の方へのあいさっとしても。また、喪中欠礼状を出していない相手から年賀状が届いた場合の返信として出してもよいでしょう。その際は喪中の連絡が行き届かなかったことをわびる一文を入れます。
[喪中に年賀状が届いたときの返信の文例] 寒中お見舞い申し上げます。 |
年始回り【1月2日以降】
年始回りは、日ごろお世話になっている人を訪問して、新年のごあいさつをすることです。元日を避けて1月2日以降から、松の内までにすませましょう。
仲人や上司の家を訪ねる場合は、午前10時ごろから日中の間とし、前もって電話などで先方のつごうを聞いておくのが礼儀です。年賀の品は菓子折やタオル、お茶類など手軽なものを用意し、玄関先であいさつをすませて失礼します。引き止められた場合も長居はしないように気をつけましょう。
最近では、年末年始に家族旅行に出かける人なども増えてきました。礼を尽くすつもりでも、不在だったり、相手にとっては迷惑ということもあるので、今は実家や親せきだけの訪問が一般的です。
年始客を迎える側は、玄関ですませても失礼ではありませんが、余裕があれば「どうぞお上がりください」とひと声かけてもてなしてもよいでしょう。
[年始回りのマナーのポイント]
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七草がゆ【1月7日】
1月7日は五節句のひとつ「人日(じんじつ)の節句」で、「春の七草」と呼ばれる野菜を混ぜて炊き込んだ七草がゆを食べ、一年の無病息災を祈る風習です。もともとは中国から伝わった習慣ですが、日本でも古くから受け継がれています。
春の七草はいずれも消化がよく、滋養に富んだものばかりで、お正月のごちそうと祝い酒で疲れた胃を休め、この季節に不足しがちなビタミンの補給にもなることから、青菜の少ない冬場に栄養補給をする効果もあります。
最近ではこの時期になると、スーパーなどで七草のセットが売られます。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろを合わせて春の七草といいます。
干支十干十二支(じっかんじゅうにし)の略で、古来中国から伝わった、年、月、日、時間、方角などを表すのに用いられていたものです。十干は1か月を3分割して数えるためのもので、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚’(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)の10種類があり、十二支は月を数えるためのもので、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の12種類があります。十二支の動物に意味はなく、庶民にわかりやすくするために、後から身近な動物を割りあてだものと伝えられています。 干支の由来
新年に十二支それぞれの動物をかたどった置物を飾ると、1年の厄よけの意味があり縁起がよいとされています。 |
[二十四節気]
二十四節気とは、1年を24に分け、季節のズレを正しくさせるために考えられた区分。現在でも季節の節目を示すことばとして使われています。年によって日にちは変わります。
春 | 立春(りっしゅん) | 2月4日ごろ | 春の始まり。実際にはまだ寒い | 秋 | 立秋(りっしゅう) | 8月8日ごろ | 秋の始まり。朝夕に秋の気配が |
雨水(うすい) | 2月19日ごろ | 雪や氷が解けるころ | 処暑(しょしょ) | 8月23日ごろ | 暑さがおさまつでくるころ | ||
啓蟄(けいちつ) | 3月6日ごろ | 冬眠していた虫が土から出てくる | 白露(はくろ) | 9月8日ごろ | 草に露がつき始める | ||
春分(しゅんぶん) | 3月21日ごろ | 昼と夜の長さが同じになる日 | 秋分(しゅうぶん) | 9月23日ごろ | 昼と夜の長さが同じになる日 | ||
清明(せいめい) | 4月5日ごろ | 春の日差しに草木が芽を現すころ | 寒露(かんろ) | 10月8日ごろ | 草に冷たい露がつき、朝晩が寒くなる | ||
穀雨(こくう) | 4月20日ごろ | 穀物を潤すとされる雨が降るころ | 霜降(そうこう) | 10月23日ごろ | 初霜が降りて冬の訪れを感じる | ||
夏 | 立夏(りっか) | 5月6日ごろ | 夏の始まり。新緑もまぶしくなる | 冬 | 立冬(りっとう) | 11月7日ごろ | 冬の始まり |
小満(しょうまん) | 5月21日ごろ | 万物が成長し、麦も穂をつけるころ | 小雪(しょうせつ) | 11月22日ごろ | 雪が降り始めるころ | ||
芒種(ぼうしゅ) | 6月6日ごろ | 穀物の種をまくころ | 大雪(たいせつ) | 12月7日ごろ | 本格的な冬の寒さが増す | ||
夏至(げし) | 6月22日ごろ | 1年で昼がいちばん長い日 | 冬至(とうじ) | 12月22日ごろ | 1年で昼がもっとも短い日 | ||
小暑(しょうしょ) | 7月7日ごろ | 日差しが強くなり、暑さが増す時期 | 小寒(しょうかん) | 1月6日ごろ | 寒さがだんだん厳しくなる | ||
大暑(たいしょ) | 7月23日ごろ | 1年でもっとも暑いころ | 大寒(だいかん) | 1月20日ごろ | 寒さがもっとも厳しく本格化する |
鏡開き【1月11日】(地方による)
神さまにお供えしていた鏡もちを割って、お雑煮やおしるこにしていただきます。鏡もちを食べると力が授けられ、一年中健康でいられるといわれています。
縁起物を包丁などの刃物を使って切ることは縁起が悪いとされるので、もちは木づちでたたくなどして割るのがしきたりです。
鏡開きの由来
武家社会では、「割る」「切る」ということばを嫌ったため、「運を開く」という意味を託しで鏡開きと表現されました。もともとは1月20日に行われていましたが、江戸時代の将軍、徳川家冷光がこの日に亡くなっでから、11日に変更されたともいわれています。
神さまへのお供えをいただくことで、一年の無病息災や家庭円満、繁栄を祈ります。
小正月【1月15日】
旧暦の正月にあたる日で、元日を「大正月」というのに対し、こう呼ばれるようになりました。
小正月には、神社などで正月飾りや書き初めをまとめて燃やす「どんど焼き」や、その火で鏡もちを焼く「左義長(さぎちょう)」と呼ばれる火祭りが行われます。「どんど焼きの火にあたると病気にならない」、「どんど焼きの火で焼いたもちを食べると厄から逃れられる」などといわれ、また、書き初めが煙とともに高く舞い上がると、字が上手になるといういい伝えもあります。個人で行うことがむずかしい場合は、神社に正月飾りや書き初めを持参して焼いてもらいましょう。
小正月には各地で新年のさまざまな行事が行われ、この日には小豆がゆを食べて一家の健康を願ったり、もちをまゆの形にした「まゆ玉」を神棚に供えたりするならわしもあります。
成人の日【1月第2月曜川】
満20歳になった青年男女を祝い、大人としての自覚を促す日。国民の祝日とされるこの日は、全国の各市区町村で、成人を祝って成人式が行われます。男性は紋付き袴もしくはブラックスーツかダークスーツ、女性は振りそでもしくは明るい色のスーツかワンピースで出席します。
本来は前年の成人の日の翌日から、その年の成人の日までに誕生日を迎える人を祝う日でしたが、現在は学齢方式が定着するようになりました。
女正月(めしょうがつ)【1月20日】
「二十日正月(はつかしょうがつ)」ともいわれ、お正月の間、おせち料理づくりから年始客の接待などで大忙しだった女性たちが、休息をとるため
の日とされています。
正月のごちそうだった魚の骨や頭などを煮物に入れて食べ尽くす風習から、「骨正月(ほねしょうがつ)」と呼ぶ地方もあります。
2月-如月(きさらぎ)
2月の行事カレンダー
- 3日ごろ………………即分
- 4日ごろ………………立春
- 最初の午の日…………初午
- 8日…………………針供養
- 11日……………建国記念日
- 14日……バレンタインデー
- 19日ごろ………………雨水
節分【2月3日ごろ】
節分はもともと、立春、立夏、立秋、立冬の前日を指すことばでしたが、今では節分といえば春の節分のことをいいます。
豆まき
節分には、豆まきを行います。季節の変わり目に増える災害や病気を鬼に見たてて、追い払う儀式です。
豆まきではまず、大豆は夕方までに準備して、枡に入れ、神棚に供えます。日が暮れたら、家中の戸を開けて外に向かって「鬼は外」、内に向かって「福は内」と2回ずつ唱えながら豆をまきます。鬼を締め出し福が出ていかないよう、すぐに戸締まりをしましょう。
まき終わった後に、豆をひろって年の数よりひとつ多く豆を食べると、二年間健康でいられる」といわれています。ひとつ多く食べるのには、来年の分も福を授かるようにという意味が込められています。外にまいた豆は、翌朝きれいに片づけておきましょう。
節分の由来
年神さまが降りてくる前に、家のなかの悪い鬼を追い払うために神社や寺で行われていた「追御式」という行事が、豆まきの始まりです。追御式は鬼の面をつけた人を弓で追い払うものでしたが、江戸時代に豆をまくようになり、庶民に伝わりました。
もともとは一家の主人や年男、年女が豆をまくものでしたが、現在は家族の行事として全員で豆をまくようになりました。
恵方巻き
節分の夜、その年の縁起のよい方角(恵方)を向いて願いごとをしながら巻きずしを丸かじりすると、「一年間元気に過ごせる」といわれています。巻きずしには福を巻き込むという意味も。
大阪を中心に行われていた習慣でしたが、現在では全国に広まってきています。
やいかがし
ひいらぎの枝に焼いたいわしの頭を刺し、戸口に飾って、厄よけにするという習慣があります。これをやいかがしといい、鬼が悪臭を嫌い、とがった葉が鬼の目を突くようにとの意味が込められています。
針供養【2月8日】
古くから12月8日を「事納め」、2月8日を「事始め」と呼び、この両日には針を休める針供養という儀式を行います。その年に折れたり曲がったりして使えなくなった針を集め、近くの神社に奉納します。女性たちが裁縫の上達やけがのないことを祈る儀式で、江戸時代から続いています。
淡島神社の祭神が婆利才女(はりさいにょ)であることから、おもに全国の淡島神社で行われます。
また、針をこんにゃくや豆腐などに剌して、川に流すこともあります。
女性たちにとって針仕事が重要だった時代は、裁縫の上達を願い、仕事道具の針に感謝する習慣がありました。
初午(はつうま)【2月最初の午の日】
各地の稲荷神社で、稲荷をまつる祭礼が行われます。赤いのぼりを立て、油揚げや紅白団子、赤飯、お神酒を供え、商売繁盛や五穀豊穣の神である、お稲荷さまをまつります。
近所の稲荷神社へ初午参りに行く場合は、稲荷の使者であるきつねの奸物とされる、油揚げや稲荷ずしなどを供物として持参するとよいでしょう。
また、農家を中心に、稲荷ずしや煮物などを作ってふるまうところもあります。地方によって風習はさまざまですが、招かれたときは「酒肴料」と書いた金一封かお酒を持参しましょう。
初午の由来
稲荷神社の総本宮である京都の伏見稲荷大社に祭神が降臨したのが、2月の午の日といわれ、それから日本各地の稲荷神社で祭礼が行われるように
なりました。また、江戸時代は、子どもたちが寺子屋に入門する日でした。
バレンタインデー【2月14日】
欧米では、この日に恋人どうしが贈り物を交換する習慣がありますが、日本では女性から男性にチョコレートを贈る日として定着しています。これは1958年に、目本の製菓会社を中心にキャンペーンや宣伝を行ったのがきっかけで始まった、日本独自の習慣です。
恋人や家族へ贈るなら、チョコレートにプレゼントを添えてもよいでしょう。職場の人などへ感謝の気持ちを込めて渡す義理チョコは、双方の負担にならないよう、高級すぎるものは控え、グループでまとめて贈るなどの工夫をしましょう。
バレンタインデーの由来
3世紀のローマ帝国では、兵力強化のために結婚禁止令が出されていました。これに反対した聖バレンチヌス司教は、恋人たちをひそかに結婚させていましたが、やがてローマ皇帝の耳に入り、司教は処刑されます。その後、司教は愛の守護神としてたたえられ、この日がバレンタインデーとなりました。
3月-弥生(やよい)
3月の行事カレンダー
- 3日………………ひな祭り
- 6日ごろ………………啓贅
- 14日…………ホワイトデー
- 18日ごろ………彼岸の入り
- 21日ごろ…………春分の日
ひな祭り【3月3日】
ひな祭りは「桃の節句」ともいい、女の子のすこやかな成長や良縁、幸福を願い、お祝いする行事です。旧暦の3月3日が、十二支の巳の日にあたることから、「上巳(じょうし)の節句」ともいわれます。
お祝いは、3月3日か前日の夜に行います。ひな人形を飾ったり、親せきや友達を招いてちらしずしやはまぐりのお吸い物などのごちそうで、おもてなししたりしましょう。
ひな祭りの由来
ひな祭りの起源は平安時代に宮中で始まった「はらえ」の習慣だといわれています。
3月初めの巳の日に、厄災(やくさい)を免れるために身を清め、けがれや災いを人形に移して、川や海に流します。後に、このならわしで、人形を使って遊ぶひな遊びへと変わり、江戸時代からはひな人形を飾るようになりました。
ひな飾り
ひな飾りは2月中旬から遅くともひな祭りの1週間前までに飾り、ひしもちや白酒、ひなあられなどを供えます。前日に飾る「一夜飾り」は縁起が悪いとされるので避けましょう。片づけはできるだけ翌日に。
昔は「片づけが遅いと娘の婚期が遅れる」といういい伝えがありました。ひな飾りは向かって右に女びな、左に男びなを飾ります。
ひな人形は3段、5段、7段といった奇数の段からなる「段飾り」と、男びなと女びなだけが並ぶ「親王飾り」があります。
[お供えと食べ物のいわれ]
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ホワイトデー【3月14日】
バレンタインデーに女性からチョコレートを贈られた男性が、クッキーやキャンディーなどをお返しする日です。この習慣は1970年代に日本の製菓会社によって提案された、日本独自のものです。当時のキャンペーンが好評で、しだいに定番行事となりました。
最近のホワイトデーのプレゼントは、お菓子のほか、アクセサリーや花束などを贈る人も増えています。
春の彼岸【3月18日~24日ごろ】
春分の日を中日として前後3日、合計7日間が春の彼岸です。この期間は、あの世とこの世が近づく期間とされています。初日を彼岸の入り、最終日を彼岸の明けといいます。
春分の日は太陽がほぼ真西に沈むため、西方の極楽浄土に住むとされる祖先を供養する仏事を行います。
彼岸には家族全員で、祖先の墓参りに出かけます。彼岸の間であれば、いつ行ってもかまいません。墓石を洗い流して清め、持参した花と供物を供えて線香を立てましょう。しゃがんで拝むとていねいです。
帰るときは線香を燃やしきり、花以外の供物はもち帰ります。僧侶を招いて読経してもらうときは、「御布施」や「御経料」の表書きのお礼をしましょう。
仏壇のある家庭では、彼岸の入りの前日に仏壇を掃除し、新しい花や水、線香をあげ、故人の好物やぼたもちを供えましょう。
春分の日【3月21日ごろ】
昼と夜の長さがほぼ同じになるといわれる日です。国立天文台が作成する暦象年表(れきしょうねんぴょう)に基づいて決定され、年によって日にち
は異なりますが、およそ3月21日ごろにあたります。春の彼岸の真ん中の日でもあり、彼岸の中日とも呼ばれ、この日からだんだん昼の長さが延びて、春が本格的にやってきます。1948年に、国民の祝日のひとつとして制定されました。
[墓参りのしかた]
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4月-卯月(うづき)
4月の行事カレンダー
- 1日……エイプリルフール
- 5日ごろ………………清明
- 8日…………………花祭り
- 13日ごろ…イースター(復活祭)
- 20日ごろ……………穀雨
- 23日…サン・ジョルディの日
- 29日……………昭和の日
エイプリルフール【4月1日】
世界的に、罪のない嘘ならついてもよいとされる日。だまされた人のことを「エイプリルフール」と呼びます。ただし、人を傷つけるのはよくありません。ユーモアを楽しむようにしましょう。
花祭り【4月8日】
お釈迦(しゃか)さまの誕生を祝う仏教行事で、釈迦は無憂樹(むうじゅ)の花の下で生まれたとされることから一般に「花祭り」と呼ばれます。
境内には、釈迦像が安置された花御堂(はなみどう)という小さなお堂がっくられ、参拝者はひしゃくで水盆の甘茶をすくい、釈迦像に3回注いでから拝みます。花祭りには境内に子どもたちが集まって甘茶を飲んだり、稚児行列を行う寺院もあり、子ども中心のお祭りという側面もあります。
お花見【3月下旬~4月上旬】
本来のお花見は、田の神さまを迎えるための行事で、農民たちが農繁期の前に酒と料理をお供えし、豊作を祈っていました。
平安時代には、貴族たちが桜を見に出かけ、そこで歌や音楽を楽しむようになりました。桜の存在感は万葉集のなかにも表れており、桜を詠んだ歌は40首もあります。江戸時代になるとそれが庶民にも広まり、全国各地で楽しまれるようになりました。
現在のお花見は、満開の桜の下でお酒や食事で楽しく宴会をするがお決まりのスタイルです。楽しく騒ぐのもよいですが、まわりの人の迷惑にならないように公共の場としてのマナーを守ることがたいせつです。
宴会を終えてその場を去るときは、きちんと片づけ、ごみはもち帰るようにしましょう。
イースター(復活祭)【4月13日ごろ】
イェスーキリストの復活を祝う祭で、信者たちは生命や復活を象徴するイースターエッグ(着色して絵や模様を描いた卵)を祭壇に飾ったり、贈り合ったりします。毎年、春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日に祝います。
サン・ジョルディの日【4月23日】
スペインの騎士で恋人たちの守護聖人といわれたサン・ジョルディの伝説と、文豪ミゲル・デ・セルバンテス(『ドンーキホーテ』の作者)の命日が結びついた風習です。この日は、男性から女性にバラの花束を贈り、女性から男性へは本を贈ります。
日本では、恋人や家族に本を贈る日として知られています。
5月-皐月(さつき)
5月の行事カレンダー
- 1日………………メーデー
- 2日ごろ…………八十八夜
- 3日……………憲法記念日
- 4日……………みどりの日
- 5日……………子どもの日
- 6日ごろ………………立夏
- 第2日曜日…………母の日
- 15日…………………葵祭
- 18日………………三社祭
- 21日ごろ……………小満
八十八夜【5月2日ごろ】
2月の立春から数えて88日目にあたる日で、江戸時代に「八十八夜」と呼ばれるようになりました。八十八を組み合わせると、「米」の字になります。また末広がりで縁起のよい「八」が重なることから、農家の人たちにとって八十八夜は特別な日となり、この日に田の神さまに祈る風習ができました。
八十八夜の別れ霜といい、霜が降りなくなる季節の変わり目の目安として、農家ではこの日を境に苗代づくりや種まきなどの農作業が始められます。
霜に弱いお茶は、その対策にたいへん苦労します。八十八夜は、霜が降りなくなり安定した気候が訪れる時期。農家では、この日から新茶の収穫が行われます。また、この日に収穫した新茶は縁起物とされ、神棚に供える習慣があります。
ゴールデンウィーク【4月29日~5月5日ごろ】
祝日が続く、4月29日ごろから5月5日ごろまでの大型連休期間を、ゴールデンウィークと呼びます。企業によっては、1週間以上続けて休みになるところも。
子どもの日【5月5日】
「端午(たんご)の節句」ともいわれる男の子のすこやかな成長を祝う行事。男の子のいる家庭では、五月人形やこいのぼりを飾ります。
子どもの日の由来
もともと端午の節句は五節句のひとつで、中国から伝わる菖蒲湯などで厄よけの行事が行われる日でした。鎌倉時代には武士の間で「菖蒲(しょうぶ)」と武を尊ぶ「尚武(しょうぶ)」をかけて尚武の節目と考えられるようになり、流鏑馬(やぶさめ)を競う催しなどが行われるようになりました。こうして立身出世を願う、男の子の節句に定着していきました。
こいのぼり
こいのぼりは中国の「黄河の龍門を上ったこいは龍になる」という伝説にちなみ、男の子の立身出世を願う飾りものです。また、滝をのぼるこいのように子どもがたくましく育つようにという願いも込められています。
一般的には子どもの日の1か月ほど前から飾ります。上から矢車、吹き流し、真ごい、緋ごいの順です。こいのぼりは、節句を過ぎたら天気のよい日を選んで片づけましょう。
吹き流しは、滝や雲をイメージしたもので、この5つの色には邪気をはらう霊力があるといわれています。
五月人形
江戸時代の武家が、家の前にかぶとと人形を飾って祝ったのが始まりだとされています。よろいかぶとは命を守る象徴で、男の子を事故や災害から守る意味があるといわれ、お守りとして一年中飾っておいてもよいとされています。
菖蒲湯
菖蒲は「邪気をはらう力」があるといわれ、端午の節句には子どもの無病息災を願い、浴槽に菖蒲を入れる習慣があります。
また、菖蒲湯は、血行促進、腰痛、神経痛など痛みをやわらげ、風邪の予防にも役立ちます。
菖蒲湯はさわやかな香りに加えて、抗菌作用などの薬効があり、疲労回復に役立ちます。
ちまきとかしわもち
かしわの葉は新芽が出ないと古い芽が落ちないことから、「家系が途切れない」という縁起をかついで食べられるようになりました。子孫繁栄という願いが込められています。また、関西ではちまきを食べるのが一般的です。
母の日【5月第2日曜日】
日本では母親への感謝の心を表す日として、赤いカーネーションを贈るのが慣例です。母の日の祝いかたに特別な決まりはありません。母親の好きな花にプレゼントを添えて贈っても喜ばれるでしょう。離れて住む母親へは、心の込もった手紙も添えたりするのもよいでしょう。
母の日の由来
20世紀初頭のアメリカで、キリスト教徒の女性が亡き母の命日に、母親が好きだった白いカーネーションを信者に配ったことが母の日の始まりです。
五節句とは
1月7日の「人日(じんじつ)」、3月3日の「上巳(じょうし)」、5月5日の「端午(たんご)」、7月7日の「七夕(たなばた)」、9月9日の「重陽(ちょうよう)」の5つを五節句といいます。もともとは中国から伝えられた風習でしたが、日本の生活とうまく結びつき、年中行事として深く根を降ろしました。五節句には、1月を除き奇数の重なる日が選ばれていますが、これは奇数が重なる日をめでたいとする中国の影響によるものです。
また、五節句には、特別なごちそうを食べる風習があり、「人日」には七草がゆ、「上巳」には白酒や桃花酒(とうかしゅ)、「端午」にはかしわもちやちまき、「七夕」にはそうめん、「重陽」には菊酒をいただきます。
五節句には、それぞれの時期に合わせた縁起物を食べる習慣があります。
6月-水無月(みなづき)
6月の行事カレンダー
- 1日…………衣がえ
- 6日ごろ………亡種
- 10日……時の記念日
- 11日ごろ………入梅
- 22日ごろ………夏至
- 第3日曜日……父の日
衣がえ【6月1日】
学校や企業の制服が、この日を境に夏服着用への切りかえが実施されます。同じように、冬服への切り加えは10月1日に行われますが、現在は制服以外の服装に関しては、厳密に行われていません。
一方、和服の世界では6月1日からは単衣、10月1日からは袷(あわせ)を着ることがしきたりとされ、今もこの慣習が残っています。
正式な場では、こうしたしきたりに注意しましょう。
衣がえの由来
衣がえは、もともと平安時代の宮中行事「更衣」から始まったものです。当時は旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。4月1日は「綿貫」と呼ばれ、これは綿入りの衣服から綿を抜くことを意味します。庶民には江戸時代になってから広まるようになり、日が決められたのは明治時代に入ってからです。
入梅【6月11日ごろ】
2月の立春から数えて135日目のこと。「梅雨入り」とも呼ばれこの日から30日間を梅雨といいます。ただし、気象庁の発表する梅雨入りとは一致しません。梅雨の語源は、この時期に梅が熟すためとの説があります。
この時期は湿気が高く、じめじめする日が続くため、カビが生えやすくなります。冷蔵庫を過信せず、食品の消費期限などはよく確認しておきましょう。
父の日【6月第3日曜日】
母の日と同様、アメリカで生まれた行事で、父親への感謝の気持ちを表す日です。
母の日のカーネーションのように、決まった贈り物はありませんが、日本ではネクタイやベルトなどの実用品を贈るのが般的です。「父と子のコミュニケーションの日」ととらえ、旅行などに誘ってみてもよいかもしれません。普段は照れくさくて伝えられない感謝の気持ちを、この機会に伝えてみましょう。
父の日の由来
「母の日と同じように、父の日がないのは不公平である」として、アメリカのジョン・ブルース・ドット夫人が父親にも感謝の気持ちをささげようと提唱したのが始まりです。
ドット夫人が亡き父親に感謝し、墓前に白いバラを供えたことから、父の日のシンボルフラワーはバラとされています。
父の日には、洋服や小物などの実用品を贈ることが多いようです。ネクタイやベルトが一般的です。
7月-文月(ふみづき)
7月の行事カレンダー
1日………山開き、海開き
7日……………………七夕
7日ごろ………………小暑
20日ごろ………………土用
第3月曜日…………海の日
23日ごろ………………大暑
山開き、海開き【7月1日】
富士山山を初め、日本のほとんどの山がこの日前後を山開きとして、山の神さまに祝詞をあげ、登山者の無事と安全祈願を行います。
海水浴場の解禁日として海開きや川開きも同時期に行われます。江戸時代から続く両国川開きが有名で、隅田川下流一帯に出店が立ち並び、にぎわいました。現在の隅田川花火大会は、川開きの初日に上げられた花火のなごりです。
山開きの由来
日本ではかつて、登山は信仰行事とされていたため、人々が自由に山に登ることは許されていませんでした。
しかし、夏の一定期間に限っては信仰行事としての禁が解かれるので、その期間は山開きと呼ばれました。名山をまつる神社では、現在も「山開祭」
「開山祭」などの行事が行われています。
七夕【7月7日】
七夕は、五節句のひとつ。笹竹に願いごとを書いた短冊をつるしておくと、願いごとがかなうといわれています。
また、毎年この時期になると、全国各地で七夕飾りで街を彩る七夕祭が催され、伝統的なイベントとなっています。
地方によっては、七夕にそうめんを食べる習慣があります。
七夕の由来
「恋に落ちた牽牛(けんぎゅう・彦星)と織女(おりひめ)が、7月7日の夜にだけ天の川にかかる橋で会う」という、中国の星座伝説は有名です。
中国の行事に「乞巧奠(きっこうでん)」という、織女星にあやかって、はた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習がありました。庭先の祭壇に針などを供えて、星に祈りをささげます。やがてそれが日本に伝わり、七夕の起源になったといわれています。
七夕飾り
6日の夕方に軒先やベランダに飾り、7日の夜に片づけるという、一夜飾りがしきたりです。笹竹を、色紙やくすだま、切り紙麺工などで飾り付け、願い事を書いた短冊をつるします。千羽鶴や網飾り、吹き流しなどを飾る地方もあります。笹竹のそばには小机を置き、そうめんや季節の野菜、果物を供えましょう。また、片づけた笹竹は、可燃ごみに出すなどして処分します。
七夕飾りと短冊を飾って、七夕に願いごとをしましょう。
海の日【7月第3月曜日】
海の恵みに感謝し、あらためて地球環境を考え見つめなおす日として、1995年に7月20日を海の目として国民の祝日に制定されました。この日は各地で海に関するさまざなイベントが開催されます。2003年より7月の第3月曜日になりました。
お中元【7月上旬~15日ごろ】
もともとは祖先の霊に供えるための贈り物を、近親間でやりとりするものでしたが、現在は、日ごろお世話になっている方へ感謝の気持ちを込めて贈り物をする風習となっています。関西は8月上旬~15日ごろ。
暑中見舞い【7月7日ごろ~8月8日ごろ】
猛暑の時期に、相手の健康を気づかい、お世話になっている方に出すあいさつ状です。立秋を過ぎたら、「残暑見舞い」になります。
土用【7月20日ごろ】
立春、立夏、立秋、立冬までの18日間を土用といいますが、近年は立秋前の1週間(夏の土用)をさします。
この時期は1年のうちでもっとも暑さが厳しく、土用の丑の日には、夏ばて解消のために栄養のあるうなぎを食べる習慣があります。
土用の由来
江戸時代には、「丑の日にウのつくものを食べると暑気あたりしない」といわれ、梅干しなどを食べると体によいと信じられていました。うなぎを
食べる習慣は、平賀源内がうなぎ屋のために、土用の丑の日に宣伝をしたことから始まりました。
土用には、各地のお店で蒲焼きが出回ります。うなぎを食べて、夏の暑さを乗りきりましょう。
虫干し【7月下旬~S月上旬】
一年でもっとも暑い土用の時期に、虫に食われやすい衣服を数日間、風に当てる風習を「虫干し」といいます。
直射日光が当たらない、風通しのよいところで、衣服重畳返しにして干します。たんすの引き出しも開放し、なかの空気を入れかえたら、再び衣服をしまうときに、防湿剤や防虫剤も取りかえましょう。
花火大会【7月7旬~8月下旬】
花火大会は夏の風物詩。夏になると、全国各地でたくさんの花火大会が開催され、何発もの花火が夜空を彩ります。
花火はもともと、軍事用の合図に使われるものでしたが、江戸時代に観賞用の花火が登場し、楽しまれるようになりました。
「たまや~」、「かぎや~」というかけ声は、当時の両国川開きで行われた隅田川花火大会に協力した、玉屋と鍵屋という二大花火業者の名前が由来だといわれています。
8月-葉月(はづき)
8月の行事カレンダー
- 8日ごろ…………立秋
- 13日~16日…………お盆
- 15日…………終戦記念日
- 23日ごろ…………処暑
お盆【8月13日~16日】
「盆と正月」といわれるように、お盆はお正月に次ぐ最大の年中行事です。年に一度、祖先の霊を迎えて、家族全員で先祖の供養を行います。
期間は地方によって異なるところもあり、7月13~16日に行われるところもありますが、13日が迎え盆、16日が送り盆という考えかたは地域、宗派を問わず共通しています。
お盆の由来
お盆は「孟蘭盆会(うらぼんえ)」の略で、語源は、古代インドのことばである「ウラバンナ(逆さづりにされて苦しんでいるという意味)」。釈迦(しゃか)の弟子である目連(もくれん)が、釈迦の教えに従い供養を行ったことで、死んだ後 餓鬼道(がきどう)に落ちて苦しむ母親を、救うことができたという故事が始まりです。また、釈迦がその供養を指定した日が、7月15日だったといわれています。
盆棚は精霊棚(しょうりょうだな)ともいい、飾りかたは地域や家庭の習慣によって異なります。
お盆の行事の流れ
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盆踊り
盆踊りはお盆の問に各地でにぎやかに行われます。盆踊りは本来、お盆に帰って来た先祖の霊を供養(くよう)するための、仏教行事でした。盆踊りの起源には諸説あり、釈迦(しゃか)の教えを受けた目連(もくれん)によって救われた母親が、踊るように喜んだ姿が起源という説や、鎌倉時代の一遍上人の「念仏踊り」が起源という説などがあります。これらが、お盆の先祖供養と結びつき、全国に普及しました。
現在も日本各地で盆踊りが行われており、徳島県の「阿波踊り」もそのひとつ。楽しく踊ることで、生きていることを先祖に感謝し、災厄(さいやく)をはらう目的もあるといわれています。
[お盆のお供えもの]
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新盆(にいぼん)とは
新盆とは人が亡くなってから初めて迎える盆のことで、家族全員が顔をそろえ、特にていねいに供養を行います。
盆棚や仏壇の前に精進料理や初物の供物を供え、盆提灯や盆灯ろうを飾ります。僧侶を迎えて盛大にお経をあげてもらいましょう。
また、新盆を迎える家には、親せきなどが提灯を贈るならわしがあります。最近では新盆に飾る盆提灯は、その年限りで焼却しなければならない白無地を家族が用意し、その後も使用できる色柄のある提灯を親せきなどが贈るケースが多いようです。提灯を贈る場合は、1週間前には届くようにしましょう。
9月-長月(ながつき)
9月の行事カレンダー
- 1日……………防災の日
- 8日ごろ…………白露
- 9日……………重陽の節句
- 20日ごろ………彼岸の入り
- 第3月曜日……敬老の日
- 中旬~下旬………お月見
- 23日ごろ………秋分の日
防災の日【9月1日】
1923年のこの日に起きた関東大震災の教訓を忘れないようにという意味と、日本に多くの台風が来る時期としての心構えを合わせて、あらゆる災害に対し、国民ひとりひとりが防災対策への意識を高めてほしいという願いから1960年に制定されました。毎年この日に、各地で防災訓練が行われます。この機に家の内外の設備の安全点検も行っておきましょう。避難場所の確認や、防災用品の準備をしておきましょう。
重陽(ちょうよう)の節句【9月9日】
五節句と呼ばれるおめでたい節句のひとつ。不老長寿を願って菊酒や栗ご飯で祝うため、「菊節句」、「栗節句」とも呼ばれます。菊酒とは菊の花を漬け込んだ薬酒で、実際に、疲労回復や食欲増進、疲れ目などに効果があるとされています。
すしやすまし汁にも菊の花びらを散らし、菊づくしの膳をいただきましょう。
重陽の由来
中国でもっともめでたい数字とされる「9」が重なるため、めでたい日となりました。中国では、この日に高い山に登って無病息災を願ったり、長寿を
願って菊の花びらを浮かべた菊酒が飲み交わされたりしました。
日本には飛鳥時代に伝わり、宮中行事として菊花宴が催されるようなり、また、この時期に田畑の収穫が行われていた農村や庶民の間では、栗ご飯を食べて節句を祝うようになりました。
敬老の日【9月第3月曜日】
長年、社会や家族に尽くしてきた年長者をねぎらい、長寿を祝う日です。「としよりの日」や「老人の日」と呼ばれていましたが、1966年に「敬老の日」として国民の祝日に制定されました。当初は9月15日でしたが、2003年より9月の第3月曜日になりました。
特別なしきたりなどはありませんが、お年寄りのいる家庭では、本人の健康状態や希望を考慮して、みんなで長寿を祝いましょう。離れて暮らしている場合は、手紙や電話をすると喜ばれます。
敬老の日の由来
起源には諸説ありますが、そのひとつには聖徳太子が身寄りのないお年寄りや病人のために「悲田院(ひでんいん)」という、今でいう老人ホームを設立したのが、9月15日だったとする説があります。
お月見【9月中旬~下旬】
旧暦8月15日の満月は、一年でもっとも明るく美しいとされる中秋の名月で、十五夜といわれます。月見だんごや里芋を供え、秋の七草を飾って満月を観賞しましょう。七草がそろわない場合は、すすき(おばな)だけでも飾ります。
また、この時期は、芋類の収穫期と重なるため「芋名月」とも呼ばれます。江戸時代には豊作を祈る収穫祭を行う日として、庶民に親しまれていました。里芋を供えるのは稲作が伝わる以前の日本人の主食が里芋であったためで、供えるときは皮のままゆでます。
月見だんご
月見だんごは、月が見えるところに小机か三方に盛って供え、秋の七草は花瓶にいけて置くのが一般的です。地域によってはこのほかに、里芋やこの時期にとれた作物を供えるところもあります。
月見だんごを盛る三方とは、正面と両脇に穴があいている台で、神さまや仏壇に食べ物を供えるときに使います。三方がない場合は半紙などを敷いてもかまいません。
月見だんごは、中国の月餅にならったものといわれ、十五夜にちなんで15個を供ええたり、1年の月の数に合わせて12個を供えるなど、地方よってさまざまです。
秋の彼岸【9月20日ごろ~26日ごろ】
9月23日ごろの秋分の日を中日とした7日間が、秋の彼岸です。秋分の日は春分の日と同じく昼と夜の長さが同じになり、太陽が真西に沈むため、祖先を供養します。
彼岸の間に、春の彼岸と同じように仏壇を清め、先祖の墓参りに出かけましょう。季節の花、供物をお墓や仏壇に供え、秋の彼岸には「おはぎ」を皆でいただきます。ちなみに春の彼岸のぼたもちとおはぎは同じものです。
「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがあるように、このころを境に夜がしだいに長くなり、朝夕も涼しく、秋らしくなっていきます。
[秋の七草]
秋の七草は春と違って、目で楽しむものです。すぺてがそろわなければ、すすき(おばな)だけでも飾りましょう。 |
10月-神無月(かんなづき)
10月の行事カレンダー
- 1日…………………衣がえ
- 8日ごろ………………寒露
- 第2月曜日………体育の日
- 18日…………………菊供養
- 20日………………えびす講
- 23日ごろ………………霜降
- 10月末ごろ…………十三夜
- 31日…………ハロウィーン
衣がえ【10月1日】
学校や制服のある企業では、この日から冬服にかわります。和服の世界では、この日から裏地がっいた袷を着ます。夏の間はしまってあった冬用の寝具などは、いつでも使えるように準備しておきましょう。
体育の日【10月第2月曜日】
「国民の体力向上とその普及」を趣旨として、1966年から国民の祝日に制定されました。この日は、学校や各企業の運動会など、さまざまなスポーツ競技会が催されます。
もともとは、1964年に東京オリンピックの開会式が行われた10月10日にちなんだ祝日でしたが、連休でスポーツを楽しめるようにと、2000年から10月の第2月曜日になりました。
えびす講【10月20日]
商売繁盛を願って、七福神の一神であるえびすさまをまつる行事。地方によって、1月20日と2回開催するところもあり、東日本では「二十日えびす」とも呼ばれます。
えびすさまは商売繁盛の神、五穀豊穣(ごこくほうじょう)の神として信仰されており、えびす講の日は神棚に一升枡(ます)をあげ、なかにお金や財布を入れて願いごとをします。
十三夜【10月末ごろ】
旧暦9月13日(新暦10月末ごろ)の月も同様に、美しいと有名な十三夜です。「豆名月」、「栗名月」との異名をもつこの月は、豆や栗を供えて観賞します。お月見は十五夜と十三夜の両方に行うのが正式で、どちらか一方しか見ないことを「片見月」といって嫌う地方もあります。
ハロウィーン【10月31日】
キリスト教諸聖人の祝日「万聖節」の前日に行われる行事で、アメリカでは夜に子どもたちが魔法使いや妖精に変装して近所の家々をまわって、お菓子をもらいます。この日は、死者の霊がこの世に戻ってきたり、魔女が悪さをするといわれています。
最近は日本でも、かぼちゃの飾り付けをしたり、かぼちゃのお菓子を食べたりするなど、子どもの喜ぶハロウィーン行事が増えています。
かぽちゃの提灯は、精霊を迎えるための迎え火という説や、悪霊を追いはらう魔よけという説などがあります。
11月-霜月(しもつき)
11月の行事カレンダー
- 3日……………文化の日
- 7日ごろ……………立冬
- 15日………………七五三
- 22日………いい夫婦の日
- 22日ごろ……………小雪
- 23日………勤労感謝の日
- 酉の日……………酉の市
文化の日【11月3日】
「自由と平和を愛し、文化をはぐくむ日」として、明治天皇の誕生日であったこの日が、1948年に国民の祝日として制定されました。
この日に、文化の発展に貢献した人たちに文化勲章や秋の褒章が発令され、授与式が行われます。また、文化庁主催の芸術祭が開催され、音楽や演劇など、さまざまな芸術鄙野での公演が行われます。優秀作品には文部科学大臣賞が贈られます。
立冬【11月7日ごろ】
暦の上では、この日から冬が始まります。おだやかであたたかい日もありますが、空気も乾燥してくるころ。昼はあたたかくても、朝晩は冷え込んでくる季節の変わり目なので、体調管理に注意しましょう。
七五三【11月15日ごろ】
男の子は5歳、女の子は3歳と7歳のときに晴れの衣装を着せ、子どもの成長の節目に、健康や厄よけを願う行事です。11月15日前後に家族で神社にお参りをし、記念写真を撮ったり、祝い膳を囲んだりします。
木来は旧暦の11月15日を「鬼宿日(きしゅくにち)」といって、鬼が自分の家に込もるこの日に行うのがならわしでしたが、現在では前後の休日などに家族皆で参拝に行き、お祝いするほうが一般的なようです。
七五三の由来
本来は武家の風習で、3歳は男女とも髪を伸ばし始める「髪置き」、5歳は男の子の『袴着(はかまぎ)』、7歳は女の子の「帯解き(おびとき)」の儀式を行っていました。幼児死亡率が高かった時代は、無事に7歳を迎えられれば成長のひと区切りとも考えられていました。
千歳飴
千歳飴は「引っ張ると伸びる」ことから、子どもの健康を願う縁起物です。発祥は、江戸時代に浅草の浅草寺で売られていた「千年飴」という紅白の細長い飴。千年には、長寿を願う意味が込められていて、縁起のよい飴とされ、全国に広まりました。
千歳飴は内祝いとしても、喜ばれます。内祝いには、赤飯を贈ってもよいでしょう。
7歳の女の子は着物が基本で、華やかな朱色やピンクなどが主流。5歳の男の子は、紋付き羽織袴。3歳の女の子はお宮参りの掛け着に、そでなしの被布が基本です。
酉(とり)の市【11月酉の日】
酉の日には、商売繁盛の神とされる鷲(わし)(大鳥)をまつる全国の大鳥神社で、酉の市が催されます。酉の目は12日に1回めぐってくるため、年によって2回または3回あり、最初の酉の日を「一の酉」、次を「二の酉」、三番目を「三の酉」と呼びます。
酉の市の名物といえば、神社前や境内の露店で売られる熊手で、福を「かき集める」、「取り込む」という縁起物として人気です。
買い求めた熊手は、玄関の入り口に向けて、やや高いところに飾るのがよいとされています。
熊手を買うときは前年より大きなものを選ぶのがならわしです。最初は小さめのものを選びましょう。
いい夫婦の日【11月22日】
夫婦ふたりが過ごす時間をたいせつに考え、お互いを尊敬し、感謝し合うきっかけをつくる記念日として、「いい夫婦」の語呂合わせから1988年に制定されました。
普段伝えられない思いを伝えたり、気持ちを形にしてプレゼントを贈るなど、パートナーとの絆を深める日として過ごしましょう。
勤労感謝の日【11月23日】
1948年に「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」として、国民の祝日に制定されました。全国各地で、お祭や農作物の品評会が行われます。
この日は、明治時代以降から戦前までは「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれる、秋の収穫を神に感謝する祭が行われる日でした。「新嘗」とはその年に収穫された新しい穀物のことで、宮中では天皇がその年の初穂を神に供え、自らも食すことで、一年の収穫への感謝と翌年の豊作を祝いました。新嘗祭が終わるまで、その年の新米は食べてはいけないというならわしもありました。
また、新しい天皇の初めての新嘗祭は特に「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれ、天皇の即位を国民に知らせるためのたいせつな儀式でした。
現在も皇室では新嘗祭が行われており、この時期に日本各地でにぎやかな収穫祭が催されています。
戦後、勤労感謝の日と改名するにあたっては、新嘗祭を祝う日として残したいという意見もありましたが、現在の労働は農業生産だけでなく、サービス産業なども含め幅広い意味を持つようになってきたことから、すべての労働者の日々の勤労に感謝するという意味を込めて、「勤労感謝の口」となりました。
また、アメリカにも11月最後の木曜日に「サンクスギビングデイ(感謝の日)」という、その年の最初の収穫を祝う、新嘗祭と似た意味の日があります。
12月―師走(しわす)
12月の行事カレンダー
- 7日ごろ…………大雪
- 13日……………すす払い
- 22日ごろ…………冬至
- 25日………クリスマス
- 31日………大みそか
すす払い【12月13日】
昔から正月事始めと呼ばれ、この日からすす払いをし、新年の正月準備を始めます。すす払いは、ほこりとけがれを清めて年神さまを迎える準備をする社寺の儀式です。
本来は神棚や仏壇を清める信仰的な行事でしたが、現在では家庭や会社などで年末の大掃除を始める日として、その風習が受け継がれるようになりました。大掃除のスケジュールを立てるときは、年末のごみの収集日を知っておくと、目安になります。
すす払いの由来
すす払いと呼ばれるようになった由来は、竹ざおにわらをくくりつけた「すす梵天(ぼんてん)」という道具を使って、すす払いから掃除を始めるしきたりからです。地方によっては、すす払いが終わると神さまに「すすとりだんご」を供える習慣もあります。昔は信仰的な行事で、家族全員で行ってい
ました。
[お正月までに準備するもの]
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お歳暮【12月上旬~20日ごろ】
本来のお歳暮は、正月の事始めの1月8日に、目下の人が目上の方に鏡もちなどをもって、一年のお礼のあいさつにうかがうならわしでした。
現在は、日ごろお世話になっている人へ感謝の気持ちを込めて、暮れのうちに贈ります。品物だけでなくあいさつ状も添えて贈ると、よりていねいな印象になります。
冬至【12月22日ごろ】
1年でいちばん昼が短く夜が長くなる日です。このころを境に、寒さは厳しくなります。
冬至にかぼちゃを食べたりゆず湯に入ると、「1年中風邪をひかずに元気に過ごせる」と信じられています。この習慣は、冬場に保存のきくかぼちゃで野菜不足を補うという昔の人々の知恵から生まれ、ゆず湯は「融通がきくように」という、願いが込められているといいます。
浴槽の湯にゆずを浮かべて入る「ゆず湯」。丸ごと入れても、輪切叫こして入れても。体がとても温まり、美肌効果もあります。
クリスマス【12月25日】
クリスマスはキリストの生誕を祝うキリスト教の重要な宗教的儀式です。その前夜をクリスマス・イブといい、キリスト教国では、イブの日から教会でミサが壮大に行われ、25日は祝日になります。
宗教的な意味合いは薄い日本でも、家族や恋人どうしがプレゼントやカードを交換し、ケーキを食べてだんらんして過ごす年末の恒例行事として、現在はすっかり定着しています。一年最後のイベントとして、たいせつな人との交流を深めながら、皆で楽しみましょう。
子どもたちにプレゼントをくれるサンタクロースは、聖二コラウスに由来するといわれます。オランダでは、その年に行いのよかった子どもがプレゼントをもらえるとされていました。それが、後にアメリカに伝わり、クリスマス・イブにプレゼントをくれる、サンタクロースにつながったといわれています。
クリスマス・カード
欧米では、クリスマス・カードは日本の年賀状にあたり、日ごろの感謝を込めて贈るあいさつ状です。カードは25日までに送るのがマナー。プレゼントを贈るときの、メッセージカードとして添えても。
また、喪中の人にも送れるので、寒中見舞いの代わりに利用してもよいでしょう。
[さまざまなクリスマスグッズ] クリスマスの飾りつけは、12月上旬から始めましょう。玄関にリースを飾ったり、ベランダや庭にイルミネーションをつけたりします。片づけはなるべく年内に。 クリスマス・リース |
クリスマス・パーティー
パーティーは、家族や友人を集めて行いましょう。招待状を出す場合は早めに。
料理は七面鳥をメインに、ショートケーキやブッシュ・ド・ノエルなどを用意します。室内にはクリスマスーツリーを置いて飾り付けをし、プレゼント交換をしたりして、にぎやかに過ごしましょう。
もちつき【12月28日まで】
もちつきは遅くとも28日までには終わらせておくと、正月の準備もあわてずに始められます。また、買ってくる場合も、このころをめどに。
29日は「苦もち」、31日は「一夜もち」といい、この2日問にもちをつくのは縁起が悪いといわれています。ついたもちは、鏡もちとしてお供えし、残りはお雑煮に入れたりしていただきましょう。
年の市【12月中句~31日】
年の市とは、正月関係の飾りものである、しめ飾りや門松、おせち料理の食材などの正月を迎える準備に欠かせない品々を売る市のことです。特に大みそかの市は、売れ残った品が捨て値で売られることから「捨市(すていち)」と呼ばれます。
江戸時代から続く浅草寺の年の市は、現在も「羽子板市」と呼ばれる年末の風物詩です。
大みそか【12月31日】
毎月の月末を「みそか」といい、一年の最後の口を「大みそか」といいます。
この日は、正月準備の最終日。夕方までに神棚をきれいにし、年神さまを迎える準備を終わらせたら、家族そろって夕飯をいただきましょう。
昔は大みそかの日暮れを境に、新年が始まると考えられていたため、大みそかの夜は、ひと晩中起きて年神さまを迎える習慣がありました。そのため、「大みそかの晩に早寝をすると年神さまに失礼になる」といわれています。午前0時は起きて迎え、皆で新年のあいさつを交わしましょう。
年越しそば
そばは「こしが強く長いことから、「丈夫で長生きする」という願いや、「末永く繁栄する」という願いを込めて、大みそかの晩に年越しそばを食べる風習があります。「福そば」、「運生そば」、「寿命そば」などとも呼ばれます。
これは江戸時代から始まったもので、当時はそばだんごを食べていましたが、しだいにそば切りを食べるようになりました。
現代にもその風習は残っており、大みそかのそば店は大忙しです。出前や生そばのもち帰りを頼む場合は、早めに予約しておきましょう。
[大掃除のコツ]
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知ってる? 各月の和風月名
睦月、如月、弥生といった和風月名からは、日本の豊かな四季が感じ取れます。各月の異称と由来を順に見ていきましょう。
- 1月 睦月(むつき)
正月は、身分の上下もなく、家族、親族が集まり、仲睦まじくお祝いしましょうということから。
そのほかの異名・:正月、初月(はつづき)、初春月(はつはるづき)、初空月(はつそらづき)、太郎月(たろうづき)など - 2月 如月(きさらぎ)
衣を重ね着する「衣更着」が語源といわれます。また、草木の芽が張り出すころという意味も。
そのほかの異名…早緑月(さみどりづき)、梅見月(うめみづき)、初花月(はつはなづき)など - 3月 弥生(やよい)
冬も終わり、いよいよ草木が茂る、「木草弥生い茂る月」から転じたといわれます。
そのほかの異名・:桜月(さくらづき)。早花咲月(さはなさづき)、花見月(はなみづき)、桃見月(ももみづき)など - 4月 卯月(うづき)
うつぎの花である「卯の花」が咲く時期という意味。また、稲を植える「植月」が語源という説もあります。そのほかの異名・:卯の花月(うのはなづき)、夏初月(なつはづき)、鳥待月(とりまちづき)、清和月(せいわづき)、花残月(はのこしづき)など - 5月 皐月(さつき)
早苗を植える月の意味で「早苗月」といわれていたのを略したという説があります。
そのほかの異名:由草月(たぐさづき)、早苗月(さなえづき)、五月雨月(さみだれづき)、菖蒲(あやめづき)月、橘月(たちばなづき)など - 6月 水無月(みなづき)
旧暦の6月は梅雨が終わり酷暑の時期。そのため、水が枯れ尽きるためというのが一般的。
そのほかの異名・:風待月(かぜまちづき)、葵月(あおいづき)、常夏月(とこなつづき)、蝉羽月(せみのはづき)、鳴神月(なるかみづき)など - 7月 文月(ふみづき)
七夕に詩歌の文を供えるところからきているという説のほか、稲の穂がふくらむ月という意もあります。
そのほかの異名・:七夕月(たなばたづき)、秋初月(あきはづき)、涼月(りょうげつ)、七夜月(ななよづき)、女郎花月(おみなえしづき)など - 8月 葉月(はづき)
旧暦の8月は秋。紅葉した木の葉が落ち始めることから、「葉落ち月」が転じたとされます。
そのほかの異名・:秋風月(あきかぜづき)、月見月(つきみづき)、雁来月(かりきづき)、葉落月(はおちづき)、桂月(けいげつ)など - 9月 長月(ながつき)
夜が長くなってくる時期なので、「夜長月」を略したという説のほか、「稲狩月」の略という説もあります。
そのほかの異名・:稲刈月(いねかりづき)、夜長月(よながづき)、紅葉月(もみじづき)、菊見月(きくみづき)など - 10月 神無月(かんなづき)
諸国の神々が出雲に集まるため、出雲以外の地では神が留守になることから。
そのほかの異名・:初霜月(kはつしもづき)、神去月(かみさりづき)、時雨月(しぐれづき)、小春(こはるづき)月、良月(りょうげつ)など - 11月 霜月
霜が降りる月ということから、それを略したというのが一般的です。ほかに、「しぼむ月」がなまったともいわれます。
そのほかの異名・:神帰月(かみきづき)、神楽月(かぐらづき)、雪待月(ゆきまちづき)、雪見月(ゆきみづき)、鴨月(かもづき)など - 12月 師走
だれもが忙しく、師僧もお経をあげるために走り回ることから、この名がついたとされています。
その他の異名・:春待月(はるまちづき)、極月(ごくげつ)、暮古月(くれこづき)、弟月(おとづき)など
新年を迎える準備-飾り
正月飾り
正月飾りは、12月26日ごろから30日までに飾ります。29日は「苦立て」、31日に飾るのは「一夜飾り」といわれ、昔から避けられています。
門松
門松は、年神さまがその家に降り立つときの目印といわれています。神さまを「待つ」につながる松と、節目正しい竹を合わせて、鎌倉時代に現在のような形になりました。家の門口に左右一対を飾り、外から見て門の左側に雄松、右側に雌松がとなるように置きます。
[門松]
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しめ飾り
しめ縄でつくった飾りをしめ飾りといい、年神さまをお迎えする神聖な場所の印として飾られます。しめ飾りには「王飾り」「輪飾り」「しめ縄」の3種類があります。
[しめ飾り]
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神棚、床飾り
神棚は、お迎えした年神さまをもてなす場所です。12月31日までに、ほこりを払って清め、紙垂をつけたしめ縄を新しく張ります。そして、左右に一対の榊を飾り、もちや酒、米、塩などのお供えをします。
床の間には、日の出や鶴亀、七福神などの正月らしい図柄や書の掛け軸を飾ります。掛け軸に植物が描かれている場合は、祝い花と掛け軸とが重ならないようにします。床の間の中央には仏具である香炉を置き、左右に祝い花と、素焼きの皿に盛って三方にのせた米、鏡もちを飾ります。香炉がない場合は、中央に鏡もち、右に屠蘇器、左に花を配してもかまいません。
最近では、床の間のない家庭が多くなってきましたが、サイドボードや本棚、テレビ台を床の間に見立てて、お盆に鏡もちやお手玉、羽子板などを飾り、壁にちぎり絵を掛けて、お正月の雰囲気を味わうのもよいでしょう。
鏡もち
年神さまへのお供え物として欠かせないのが鏡もちです。飾りかたは地方や家庭によって異なりますが、基本は三方に奉書紙か牛紙を敷き、葉裏を見せた うらじろやゆずり葉の上に大小ひと重ねのもちを置き、その上に昆布をたらして栓をのせます。地方によっては、はんだわらや伊勢海老などを飾ることもあります。三方の代わりに丸盆や角板などを使うと現代的です。
しめ飾りをつけた場所にも小ぶりなものを飾ります。その場合は牛紙の上に うらじろともち、枡を置きます。
三方の上に奉書紙などを敷いて、うらじろやもちを置き、橙を飾ります。はんだわらや伊勢海老を飾る地域も。
[正月飾りのいわれ] 正月飾引こ使われる材料には、さまざまな縁起かつぎの意味が込められています。
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飾りを片づける時期は
正月飾りは、松の内の最終日(1月7日)に取り外し、その日のうちに燃やすのがしきたりです。ごみの回収に出すときは、ごみとは別に包むようにしましょう。
新年を迎える準備-祝い膳
正月の祝い膳
おせち料理
おせちは「御節供」の略称で、昔は端午の節句、七夕、重陽の節句などの節目に出される料理や、神さまに供えるすべての料理を「おせち料理」といいました。江戸時代に、女性が三が日に休めるようにとつくり置きしたのが始まりです。
本来おせち料理は、大みそかに神棚に供え、年迎えの膳として、大みそかに食べるものでした。現在は、お正月を迎えてから、供えた料理を皆でいただくのが一般的です。暮れにつくるのは、年神さまを迎える正月の期間は、煙が出る煮炊きを慎むためといわれています。
おせち料理は一の重から与(よ)の重までの四段重ねが正式で、春夏秋冬を表します。詰めかたは地方によってさまざまですが、品数は奇数になるようにします。
伝統的な料理に家族の好きな中華や洋風料理を加え、現代風のおせちにしても喜ばれるでしょう。
[おせち料理のいわれ]
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[おせち料理の詰めかた] 四段重ねは、-の重がいちぱん上になるように順に重ねます。一段に詰める料理は奇数が基本。型崩れや、汁が出てしまわないように詰めましょう。
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おとそ
おとそは、新年に無病息災と厄よけを祈願していただく祝い酒です。また、心身をよみがえらせるという意味があり、長寿をもたらすともいわれています。
おとそは酒店で買うか、薬局などで売られている屠蘇散を酒やみりんにひたしてつくります。飲むときは年少者から、男性は片手で、女性は両手で受けます。お酒が飲めない人も口だけつけて飲むまねをしましょう。
お雑煮
大みそかに年神さまに供えたもちや野菜を元日に下げ、煮て食べたのが、お雑煮の始まりです。入れる具から、もちの形や調理法まで、地域や家庭によってさまざまな種類があり、郷土色の濃い料理です。
一般に、関東では切りもちを一度焼いてからすまし汁に入れ、閃西では丸もちをゆでて自みそ仕立てにすることが多いようです。家庭それぞれの味で、新年を祝いましょう。
[各地のお雑煮]
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祝いばし
正月の祝い膳はおとそ、おせち料理、お雑煮の順にいただきます。
はしは白木で両端が細く丸くなった柳ばしを使います。柳は「家内喜(やなぎ)」とも書き、「薬木で長寿をもたらす」といわれます。また、折れにくいことから縁起がよいとされています。また、両端か細いのは、神さまがもう一方の端を使うからだといわれています。
家族各々が名入りのはし袋にはしを入れ、三が日の問に使用します。お客さまを迎えた場合にそなえて、はしは多めに用意しておきましょう。
祝い膳には、足付きの塗り膳を使い、器も塗り物を使いましょう。
柳ばしは香りもよく、正月や祝いごとには欠かせません。
年中行事のしきたりQ&A
Q お年玉は何歳まであげるべき?
A 親せきの子どもなら高校生ぐらいまでに
孫やおい、めいなど、親せきの子どもへのお年玉は、高校生くらいまでとするのが一般的です。あげる時期や金額については、あらかじめ親せきのなかで話し合い、取り決めをしておくのも良策です。年始回りに来た知人の子どもへは、小学生までをひとつの目安にしましょう。お年玉は、お札の場合は新札を用意し、ポチ袋に入れて渡します。年始回りをする際は、ポチ袋と新札を余分にもち歩いておくと、いざというときに安心です。
市販のポチ袋には、「お年玉」「おとしだま」といった文字が書かれているものもあります
Q 大みそかの夜に鳴る除夜の鐘は、何回鳴らすの?
A 年内に107回、新年に最後の1回を鳴らします
大みそかの夜、深夜0時に近づくと、各地の寺で108回、「除夜の鐘」をを打ち鳴らします。鐘は過去、現在、未来にわたる人間の108の煩悩の数を表し、鐘をつくことで煩悩を鎮め、新たな気持ちで新年を迎えるという願いが込められています。
Q 旅行などで家を留守にするときも、正月飾りは飾るべき?
A 一年の幸福を願うために留守中も飾っておきます
門松やしめ飾りなどの正月飾りは、新しい年の年神さまが天から降りてくるときの目印になるものです。一年の幸福を願う縁起物ですから、飾ってから出かけるようにしたほうがよいでしょう。
Q 正月に国旗を掲げる場合の飾りかたは?
A 国旗は外から見て左側に立てるのが正式です
元日に門松といっしよに国旗を掲げるとき、1本の場合は外から見て門の左側に立てるのが正式です。2本の場合は門の左右に並列、または交差させて立てます。
国旗は、日の出から日没までの日のある時間帯に掲げるのが原則とされています。日が落ちる前には片づけ、翌朝あらためで掲げましょう。
屋内に国旗を掲揚するときは、旗竿を使用せず、上座の壁面にたらします。
冠婚葬祭早引き事典シリーズ
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⑦ これで安心!結婚式に招待されたら!
⑧ 仲人を頼まれたら
⑨ 婚約・結納のしきたり
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⑪ 結婚式挙式のプランニング
⑫ 出産から成人まで!わが子のお祝いごと
⑬ 大切にしたい人生の記念日・お祝いごと
⑭ 暮らしの歳時記
⑮ お葬式参列のしきたり
⑯ ご臨終!突然「遺族」になったら
⑰ 仏式のお通夜・お葬式
⑱ 神式・キリスト教式のお葬式
⑲ 終活・生前にしておきたいこと
⑳ お葬式 Q&A よくあるご質問
㉑ お葬式が終わってからのこと
㉒ お墓と納骨のこと
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