合気道に興味ある方へ! 合気道初心者向け攻略ガイドブック

合気道は生涯現役の武道

目次 Contents

合気道を始めよう!

合気道は、柔道、剣道、空手道などとともに、日本が世界に誇る素晴らしい伝統武道です。特に、老若男女問わず出来る生涯武道としての魅力がいっぱい。ぜひ、合気道をお始めになってみませんか?

合気道のルーツ

合気道は、『大東流合気柔術』に端を発しています。これは、剣道の前身である剣術の裏技として、剣を使わずに相手を倒すための技術として生まれたようです。

今から850余年前、源義家の弟、源義光(新羅三郎義光)(1045~1127没)が創始したとされていますが、甲斐源氏武田家が代々これを門外不出の秘芸として伝えてきたため、明治時代になって世に公開されるまで、一般にはその存在すら知られなかったと伝えられています。

世に知られるきっかけ~合気道のはじまり

明治時代になって、武田惣角先生(1859~1943没)いう方が『大東流合気柔術』を世に公開されました。さらに昭和期になって、武田惣角先生の門人植芝盛平先生(1883~1969没)が、我が国古来の各流各派の武術の精髄に独自の工夫を加え、合気道という武道として確立されました。

近代合気道としての発展

植芝盛平先生から始まった合気道は、現在、東京都新宿区に本部を置く公益財団法人 合気会が、国内最大の団体としてその技を伝承しています。

このほか、植芝盛平先生の弟子たちが、さらに独自の工夫を加え、様々な流派として独立発展させています。一般には、こうした流派・団体の武道すべてを「合気道」と呼んでいます。

合気道の特長

  1. 老若男女どなたでも出来る武道
    自然の動きに合わせ、力の競り合いをしない技ですから、美しく無理のない動きが特長です。そのため、老若男女、体格の大小にかかわらず誰にでもできます。
  2. 勝ち負けを競う試合をしない
    合気道では他人との勝ち負けを争う試合を行いません。「仕手」(技をかける者)「受け」(技をかけられる者)という役割に分かれ、お互い協力して「形」を反復稽古します。相手を敬い、澄んだ気持ちで稽古できることから、合気道は「和の武道」とも呼ばれています。

どんな方に向いている?
『人には優しく 自分には厳しく出来る人でありたい』

合気道は老若男女誰にでも出来る武道です。でも、何ごとにも向き不向きはあります。合気道の上級者を見ると、次のようなタイプの方が多いようです。

  1. 人の痛みが分かる方
    合気道は、倒したり倒されたりの役割りを交代して稽古します。倒されたり、抑えられたり、関節を極められたりすれば、痛みを伴うこともあります。過不足のない力加減を知るには、人の痛みを自分の痛みとして分かる必要があります。ついつい力を誇示したくなる気持ちが強い方の場合、相手への配慮がおろそかになりがちで、合気道として重要な理合いを感じ取ることが出来ず、技の上達につながらないのかもしれません。
  2. 人よりも少し根気強い方
    本物を目指したい方の場合、道場の稽古だけでなく、日常生活での基本動作の反復訓練も必要です。年令、職業、肩書、性別、体格、合気道歴の長短などは関係なく、日ごろの立居振舞のなかに、合気道を意識して行い続ける根気がある人が上達していきます。もっともこれは、合気道に限らずどんな武道やスポーツも同じですね。
  3. 自分のペースで楽しみながら稽古される方
    勝ち負けを争う試合を行わない合気道。人に対して優越感や劣等感を持つことは少ない反面、慣れから慢心してしまう面もあるかもしれません。いつも自分のペースを保ち、工夫をしながら、飽きずに稽古を楽しむことが大切です。

失敗しない道場探し

植芝盛平先生が始められた合気道ですが、本家の公益財団法人 合気会のほか、たくさんのお弟子さんが独立され、様々な形で発展しています。例えば、この記事の筆者が通う道場は、植芝盛平先生塩田剛三先生千田 務(ちだつとむ)先生の流れである合気道錬身会という団体に所属しています。インターネットにある「道場検索」サイトですべての合気道道場を調べることはできません。なぜなら、ほとんどが自分の流派だけを紹介しているサイトだからです。道場検索サイトのほか、GoogleやYahoo!などで「合気道&地名」でキーワード検索し、出てきたものにすべて目を通してみることをお勧めします。

合気道道場

道場選びのポイントは?

もっとも大切なことは、その道場の指導者と指導体制です。団体の規模の大小、流派の違いによる優劣とは関係ありません。理想は、フルタイムで合気道を指導されるプロの道場長がいること。『師範がたまに顔を見せる程度で、通常は初・中級者がお互いに教え合う』という稽古方法だけでは、合気道の本質を学びとることが極めて困難です。まず、見学や体験をしてみて、指導者の人柄や指導の方法、そして門下生の雰囲気などを見てお決めになるといいと思います。

費用はどのくらいかかる?

道場にもよりますが、一般に入会金5,000円程度と月謝(会費)3,000~7,000円ぐらいとお考えください。一生続ける、本物の技を習うのであれば、ある程度のお金や時間がかかることは当たり前です。「安い方がいい」といったお気持ちを最優先することはお勧めできません。

合気道の道具

道衣

道衣(どうぎ)

合気道に必要なものは、基本的には道衣(どうぎ)のみです。合気道専用と称する道衣も売られているようですが、こだわる必要はありません。一般的な柔道衣で大丈夫です。なお、素材が薄い空手道衣は、激しい受け身には不向きです。入門当初は空手道衣でも大丈夫ですが、上達してきたら柔道衣の購入をお考えください。

道衣購入の方法

購入の方法は、地元の武道具店でもネットショップでも構いません。ただし、何度か洗うと縮んできますので、実際に試着してみて、少し大きめのサイズを選んでおいた方が無難です。最初は、そういうアドバイスを受けられる地元の武道具店に足を運ばれることをお勧めします。

袴

袴は入門当初は必要ありません。袴の着用が認められるには、黒帯(初段)以上。流派によっては四段以上とされているところもあります。
なぜ袴をはくの?
『極意である膝の動きなどを盗まれないように袴で隠している』という説をはじめ、諸説あるようですが、はっきりとした理由はないようです。

袴姿にあこがれて合気道を始める方も少なくありません。でも、実際袴をつけてみると、毎回の脱ぎ履きの手間が増える、稽古のあと袴をたたむのに時間がかかる、夏は暑い、激しい動きのときは袴を踏んでしまうこともあるなどなど、結構大変な面もあります。もしかすると、有段者として”袴をつけていても”正しい立居振舞が出来るようになること、が袴を着用する目的なのかもしれません。

合気杖

「つえ」ではなく「じょう」と読みます。杖は、合気道に必須というわけではありませんが、稽古のなかで最も使用されることの多い道具です。岩間スタイルと呼ばれている道場など、合気杖(あいきじょう)として、積極的に稽古に取り入れている流派・団体もあります。

木刀

木刀(剣)・短刀

木刀や木製の短刀を使用することもあります。静かな動作の割には、結構、実戦的な技も含まれており、合気道は護身術としても役に立つと言われています。

黒帯になるまでの期間は?

黒帯は他の武道同様、初段以上とされています。初段取得までの期間は、道場に通う頻度等にもよりますが、一般に3年以上とお考えください。

習うとどんな効果が?

  1. 体幹が鍛えられる
    近年、スポーツの世界でも評判となっている「体幹」。構えの線、姿勢の線、力の線を重視し、しかも、すべての技を右と左の対で行う合気道は、典型的な体幹運動と言えるかもしれません。
  2. 姿勢が美しくなる
    背筋・首筋が安定した状態でスッと伸びた姿勢を保ちますので、稽古を繰り返していくうちに、自然で美しい姿勢となります。
  3. 強くて柔らかい関節となる
    力みの抜けた柔らかい動きで稽古します。また、関節を極めたり極められたりを繰り返していくうちに、強くて柔らかい関節が出来上がります。
  4. 人とのぶつかり合いを避けることができる
    護身的な要素が強い合気道。基本的には、自分から相手を攻撃するような稽古はありません。日常の生活のなかでも、合気道的発想や行動をとっていれば、人との争いやぶつかり合いを避けることが増えていきます。

イベントとかあるの?

合気道は、勝ち負けを争う試合をしませんが、日ごろの稽古した自分の技を披露したり、他人の技を見て学ぶための演武会が開催されます。公益財団法人 合気会が開催している全日本合気道演武大会は、国内最大規模の演武会と言えるでしょう。

子どもでも大丈夫?中高年・シニアでも大丈夫?

大丈夫です。合気道は、老若男女誰にでも出来る武道だと言われています。

力によらず、仕手(技をかける人)と受け(技をかけられる人)の役割りを決め、パターン化された技を反復訓練します。年令に応じた動きやスピードで稽古しますので、無理なく体が鍛えられるだけでなく、自然に身につく受け身から、日常生活のケガの予防にもつながります。


おことわり

様々な流派・団体がある合気道。この記事は、合気道錬身会傘下道場の一門下生の視点からみた紹介記事です。公平・中立には配慮しておりますが、行き届かないところもあるかもしれないこと、ご了承願います。

 

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